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そばに七味と山椒を振りかけていただく

 まず、鴨汁をひとくち。濃厚な鴨の油味がふわっと口に広がる。そして優しい甘さも追いかけてくる。その中に薬味のねぎを少し入れ、そばを箸で少しつけて食べてみる。そばは中太で十分なコシがあるが、いわゆるぼそっとした十割そばではなく、しなやかでつるやかな麺線だ。こちらのそばは押出式で製麺しており、十割でもこのコシが出せるという。

ネギと鴨肉が濃厚な鴨汁が美しい鴨せいろ
濃厚な鴨の油味がふわっと口内に広がる

 そして、そばの小分けに七味と山椒をそれぞれ振りかけ、そばをいただく。「株式会社やまつ辻田」の七味は京都の「祇園原了郭」の「黒七味」よりドライで山椒と唐辛子の香りが立つ。なかなか素敵な味を演出できる薬味である。

そばの小分けに七味と山椒をそれぞれ振りかけていただく

「せいろ」を追加注文、「とろろ」も絶妙な味

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 どうしてももりつゆを味わいたくなり、「せいろ」(780円)を追加注文した。そして、5分ほどで登場。お目当てのもりつゆをひとくち。このつゆは赤味のきれいなムラサキで口当たりがふくよかでかつしっかりとした奥深い味である。自家製の本返しに備長炭で炙った2年物の薩摩本枯本節だけを使った出汁を合わせている。つるやかな十割そばとの相性は抜群だ。