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 そして先ほどは気が付かなかったが薬味の本わさびは注文ごとにすりおろしている。ねぎは専門の葱屋さんから千住葱を仕入れているという。冷たいそばの「おろし」に使う辛味大根は江戸辛味大根を使用しているという。

「せいろ」(780円)はシンプルだが、味がよくわかる

 そして後日、再訪し冷たいそばの「とろろ」(1300円)を食べたのだが、これが傑作だった。通常冷たい「とろろそば」といえば、せいろにのったそばとつけ汁にとろろ芋が入って登場するのだが、こちらの「とろろ」はぶっかけスタイル。登場したその姿にハッとする。

もりつけも絶妙な姿の「とろろ」

食べ終わった後、九谷焼の美しさに見入ってしまう

 鮮やかな九谷焼きの平皿に、もりつゆをぶっかけた十割そば、中心に大和芋と長芋を合わせたとろろ、そしてもみじおろし、青ネギ、きざみ海苔、うずらの玉子が添えられている。まず、とろろ芋をそばと和えながら食べてみる。丁度いい粘度のとろろともりつゆが相俟って、絶妙な味である。そしてもみじおろしがほんのり辛い。

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 もりつゆをかけまわして食べる「出雲そば」をヒントにめぐみさんが考案したぶっかけスタイルだ。そして、食べ終わった後のこの九谷焼の美しさに見入ってしまった。

丁度いい粘度のとろろともりつゆが相俟って絶妙な味
食べ終わった後の美しい九谷焼に感動

 蒲田の大衆そば屋から始まり、上質な味を目指して自由が丘でスタートした「石臼挽き蕎麦とよじ」。私が訪問した時も、すでに地元のご婦人がひとりで「とろろ」を嬉しそうに堪能していたのが印象的だった。自由が丘には「とよじ」がよく似合うと言われるのはそう遠くないかもしれない。再訪必至である。

INFORMATION

石臼挽き蕎麦とよじ
住所:東京都目黒区自由が丘1-12-6
営業時間:水~日11:30~18:00(LO17:45)
定休日:月・火