この『BLACK』のオープニングは、リブート作品である『仮面ライダーBLACK SUN』(22年)最終話で映像が再現されたことも記憶に新しい。
続編となった次作『仮面ライダーBLACK RX』(88年)では、主題歌「仮面ライダーBLACK RX」の作曲も川村が担当し、歌唱は宮内タカユキがシリーズ初参加。宮内は第4回日本ゴールドディスク大賞のTHE BEST ALBUM OF THE YEARにおいて、同曲が収録された「コロちゃんパック 最新TVまんが大行進」で学芸部門賞を受賞する、という快挙を成し遂げた。
90年代に製作された3作品『真・仮面ライダー/序章』(92年)『仮面ライダーZO』(93年)『仮面ライダーJ』(94年)はビデオ・映画作品ということもあり、歌詞に「仮面ライダー」の言葉を入れず、より大人向けの楽曲となった。『真』では宇崎が、『ZO』『J』では川村が作曲を担当し、ここでも各作品の作風に合致したサウンドを創り上げている。
継承されたヒーローの凱歌
駆け足で、90年代も含めた昭和期の「仮面ライダー」シリーズにおける主題歌の歴史を振り返ってきた。順番に聴いていけば、脳裏にはライダーたちの雄姿が甦り、映像に負けず劣らずの濃厚さに圧倒されるのではないだろうか。その歴史と文脈は、ライダーたちの戦いとともに、今もなお続いているのだ。
(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会
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『シン・仮面ライダー』および『仮面ライダー』に関する情報は、発売中の「週刊文春エンタ+ シン・仮面ライダー特集」でチェックしてほしい。
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【公開情報】映画『シン・仮面ライダー』
監督:庵野秀明
出演:池松壮亮、浜辺美波、柄本佑 他