今回のWBCは、MLBの公式カメラマンとして一次ラウンドから撮影していたんだ。日本代表を撮影したのは、アメリカに来てからの準決勝と決勝の2試合だけだったけど、彼らは本当に感情を表に出して全力で戦っていて、胸に迫るものがあったよ。
他のカメラマンはいなくて私1人だけ
この写真は準決勝のメキシコ戦、ムラカミ(宗隆)がサヨナラを打ったシーンだね。あの試合はスタジアムの一塁側の天辺にある、狭い通路から撮ることにしたんだ。他のカメラマンはいなくて私1人だけ。なにせ遠いからね(笑)。でも、そのおかげで決定的な瞬間を、グラフィカルに撮ることができたんだ。緑の芝生の上に、ジャパンの白のユニフォームを着た選手たちが、感情を爆発させて駆け出してきた。私は日本のユニフォームが好きなんだ。写真にしたときにダイナミックに映るし、緑の芝とのコントラストが最高。おかげでこの1枚は、絵的にも、エモーショナルな意味でも、素晴らしい写真になったと思う。
この瞬間の会場のエナジーはすごかった。ドームで屋根が閉まっていて、すべての音が封じられていたからかな、スタジアムの一番高いところにいたのにものすごいエナジーを感じられたんだ。それもこの撮影場所を選んで、幸運だったことの一つだね。
大谷の顔にライトが当たって…特別な1枚
オオタニ(翔平)は、彼がエンゼルスに入団した時から撮っている。今は英語もうまいし、一緒にいて楽しいし、何より写真映えするので、彼を撮るのは好きだ。