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 でも今大会の彼は、いつもとは少し違っていたね。私のSNSで「アサシン(殺し屋)」という言葉を使ったことで、日本のネットニュースで話題になってしまったと聞いたけど、要はそのぐらい強い眼をしていたんだ。マイク・トラウトと対決したときの眼をレンズ越しに見た時は、「誰も自分を打ち負かすことなんてできない」と言ってるように見えた。彼があんな表情をするのは初めて見たよ。

 その決勝の試合前、国歌斉唱後に、スタジアム内でライトショーのように照明が変化していて、その時に撮れたのがこの写真。試合に向けてベンチでハイタッチするオオタニの顔だけがこちらを向いていて、そこにライトが当たって、印象的なワンシーンになったんだ。これは偶然だったんだけど、右手前でクリヤマ(英樹)監督が見守っていることでも、特別な1枚になったと思っている。

 

 この時の彼は、決勝なのに落ち着いているように見えた。日本代表チームは皆とてもエキサイティングで生き生きしていたけど、そのなかでもオオタニは、カリスマ性という面でとび抜けて見えたよ。

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撮影 ロブ・トリンガリ(MLB公式カメラマン)
文 山脇明子