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弁護側は支援者と協力し、様々な方法で味噌漬け実験を行ってきた。

 

その結果、味噌漬けされた衣類は血痕の赤みは消え、黒っぽい色になった。

 

検察側が主張し確定判決が認定したのは、写真のような「濃い赤」。

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今回の審理では弁護側と検察側から、専門家の意見や再現実験の結果が改めて出され、東京高裁は3月13日、実験の結果を「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」として、再審開始を決定した。

 

「5点の衣類」は袴田さんではない第三者が、味噌タンクに隠した可能性があると指摘。第三者は捜査機関の可能性が極めて高いと言及している。

 

再審決定後に会見した袴田事件弁護団の小川秀世事務局長:
ねつ造の可能性を前提として、改めて証拠を見直して、当然の結論を導いてくれたと思っています

袴田ひで子さん:
本当にね、そこまで言明してくれた。巌が30年前に「ねつ造だ」と、一生懸命手紙を書いてきたんですよ。だけど弁護士さんも、それほど大事だと思っていなかったですね。もともとは巌が「ねつ造だ」と言ったことを今の裁判長はしっかり認めてくれた

検察は3月20日、最高裁判所に不服を申し立てる特別抗告を断念し、袴田さんの再審公判開始が確定した。裁判は静岡地裁でやり直すことになった。

袴田ひで子さん:
どうしても勝たなきゃね。勝って死刑囚という肩書を取ってもらわなきゃ。私も長生きしなきゃいかんが、巌も48年間の刑務所の生活を取り戻すというわけにはいかんけど、せめて何分の1かでも取り戻せるような生活をしていきたいと思っている

2023年3月17日放送
(東海テレビ)