「仮面ライダーはどういう死に方をするのか？」藤岡弘、の問いに答えた、石ノ森章太郎の忘れられない一言

なぜ、20の資格を持つのか

　高校卒業後、家出同然で上京しました。Gパンにワイシャツ、履き倒し底が空いた革靴を履き、ナップサックには、武道着とカメラ1個だけ。舟で広島まで渡ってそこから夜行列車に乗り継いだ。

　希望にあふれてたどり着いた東京でしたが、現実は甘くなかった。身よりもなく、行く当てもない。上京初日は四谷のある大学のそばの外堀土手で野宿をしました。持ってきたお金はわずか3万円。バイトは保証人がないと雇ってもらえないので最初は仕事探しに苦労した。3日間何も食べずに水ばっかり飲んで過ごし、畑で収穫後の商品にならない野菜、トマトやキュウリをもらって食べることもあった。

　俳優の養成所に通うかたわら、5、60のバイトをしました。資格があるほうがお金を稼げると気づき、給料で大型自動車の免許を取り、トラックのドライバーをしたこともあります。大型特殊の免許も取りましたからブルドーザーも運転できます。さらに調理師免許も取り、稼いだお金を資格とスキルに変えていったわけです。

　父から習った柔道・空手・抜刀道などの武道有段者であり、また、自家用飛行機、二級小型船舶など陸海空すべての資格を網羅し、計20の資格を持っています。でも、私は別に資格マニアではないんです。全て生きるために取得した。下積み時代に、自分の中のハングリー精神は強くなり、そうするうちに運も味方してくれるようになった。