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 当選直後、知事が中継で出演した局もある。それがSTVのYouTube配信で「どさんこワイド179」で長年ニュースを担当する、宮永真幸アナウンサーがインタビュアーとなった。

 だがせっかくの機会にもかかわらず、宮永アナが聞いたのは「当選した今のお気持ちは」「ずいぶん声が枯れていますが、全道回ってやり切った感は」「遊説で聞こえてきた有権者の声は」「物価対策は待ったなしだが具体的な取り組みは」「2期目に向けてやりたいこと」の5つ。このインタビューに先立つマスコミ各社合同インタビューとほぼ内容が同じ上、さながらプロ野球の「ヒーローインタビュー」のような内容に乏しいものだった。

宮永真幸アナウンサー(右)の単独インタビューに応じた鈴木知事(同局公式YouTubeより)

 複数の関係者の話を総合すると、番組に出る、出ないを決めたのは鈴木知事自身だという。

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4月13日の就任記者会見では…

「知事が『自分で話したいわけでもないものを生放送で断定的に話したくない』ということで、核ゴミ問題を質問する局を弾いたようだ。すべてのインタビューを断らず受け、どのインタビューでも必ず五輪招致について問われてすべて答えた秋元克広札幌市長と比べると、差は歴然としている」(前出・道政クラブ記者)

 そんな鈴木知事が「個別政策にも答える」と言っている2期目の就任記者会見は4月13日に開かれる予定だ。再選直後の挨拶で掲げた「エネルギー」そして主要政策である「ゼロカーボン北海道」を進める上で、泊原発の再稼働や核のゴミの問題は避けて通れない。

 残念ながら本誌は道政記者クラブに加盟しておらず、質問する権利がない。加盟社にはぜひ個別・具体的なツッコミを期待したい。

※追記

 13日に道庁で開かれた鈴木知事の再選後初会見では、個別質問への回答を拒否されたHBC、HTBがそれぞれ質問。

 HBCは、前出の道政キャップがあらためて核ごみ問題についての考えを聞いた。

 知事は「条例制定の趣旨を踏まえて、現時点において反対の意見を述べる考えに変わりはない。道としては、引き続き国やNUMO(原子力発電環境整備機構)に対して、全国において最終処分事業の理解促進に向けた取り組みを一層、加速していくよう求めていく必要がある」と回答。

 だがHBCが本当に聞きたかった「今ある核ごみをどのようにするといいのか」という質問には「今お話しした通り」とだけ答え、具体的な考えは示さなかった。

 またHTBはより直接的に、当選当日の個別質問を受けなかったことに対する考えを質した。

 これに対し知事は「これまでも、記者会見の場などでは時間が許す限り質問に答えてきた」と説明。

 その上で、当選当日の質問拒否については「(各社)共同インタビューには応じた。当日は時間に限りがあるため、報道の希望に対応することは難しかった。そのため、翌日(10日)朝にも取材時間を設けることで対応するよう選対(事務所)に伝えていた。報道の希望に応えられられなかったことは申し訳ないと思う。今後も時間の許す限り丁寧に回答していきたい」と釈明した。

 一応、謝罪の弁を口にした鈴木知事だが、会見を通じてなぜかテンションが低く「今お話しした通りです」「先ほど申し上げた通りです」と、塩対応を繰り返していた。

 月刊財界さっぽろ2023年5月号では、2期目の鈴木知事が最初に着手する副知事人事を始め「春の人事“波乱の予感”」と題し、気になる人事の裏側を詳報している。

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 5月号は4月14日(金)に本サイトおよびデジタル版、15日に全道の書店・コンビニエンスストアで雑誌版が発売となるほか、財界さっぽろ新Webメディア「財さつJP(https://zaisatsu.jp/)」では、月刊誌のすべての記事に加え、本稿を始めとする独自の最深記事を掲載している。