「次の彼女を作るようにしていた」
さらに、被告の自己分析によれば、交際相手がいながら犯行を重ねていた理由は“女性に裏切られてもいいように、次の彼女を作るようにしていた”ためだったというが、これにも質問が及んだ。
検察官「交際している女性が浮気して女性不信になったと言っていましたが、交際している女性がいて、自分は別の人にそういうことをすることに、抵抗感はなかったんですか?」
被告「……別れてました」
検察官「そういうことじゃなくて!」
被告「あー、それに関しては申し訳ない。傷つけられても次にいけるようにしていました」
検察官「そうすると、今回の被害者はあなたから見たら『スペア候補』の1人だったと?」
被告「……(うなずく)」
分析はさらに深められ、被告は被害者らを「次の彼女候補」だと思っていたという話になったが、裁判官が疑問を呈した。
裁判官「事件当時、被害者らから好意を持たれていると思っていたと言っていましたが、それと薬を飲ませて性交することのつながりが全くわからない。どういうことですか?」
被告「……確かに、理解できない気持ちは……」
裁判官「スペアの彼女候補だったわけですよね。薬を飲ませて性交……スペアの彼女にできるんですか?」
被告「……交際できるような考え、自分にありました」
繰り返された「睡眠薬による同意なき性交」
朝の10時から16時半まで続いた被告人質問で、丸田被告は苦しい言い訳に終始していた。逮捕時には、睡眠薬をどう飲ませたら効果が出るか事前に実験していたことを供述していたが、この日は「実験はしたが目的が違う。朝起きれず遅刻したことがあるので、どのくらい飲んだら起きれないかとか、自分の体で、処方してもらったりしていた」と抗弁。就活アプリで出会って犯行に及んだ女性は“就活にあたり良い印象に見られたくて被告に話を合わせていた”と証言しているが、これについても「私は人事担当ではないので……」とよくわからない答えが飛び出す。
被告が撮影していた動画によれば、被害者のほとんどは犯行時、眠ったままで、刺激を与えられても全く反応を示さなかったという。処方薬の量を独自に調節し、被害者の了解なく服用させる行為自体、非常に危険なものだ。
検察官「被害者のことを心配に思ったりしたことはないの? 死んじゃったりするのでは、とか。例えば全く反応しなくて心配になったこともなかったんですか?」
被告「……なったか、なかったかでいうと、ありました。Aさん、なかなか起きなくて心配に」
にもかかわらず、犯行を止めなかった丸田被告。法廷では「女性不信」と繰り返していたが、被害者らの生命の危機を感じながらも、睡眠薬を用いた同意なき性交に固執し続けていた理由は語られなかった。次の公判では情状証人として友人が出廷する見込みだ。