丁寧に迅速に発送したつもりなのに、「商品が届かない」というクレームが一定の割合で届くのは面倒くさい。以前、三和銀行が景品でくれたポットをヤフオクに売りに出したことがあった。1週間たっても落札者が何の連絡もしてこないから、私はその人を落札者から外し、次点繰り上げで別の人に売ってしまった。
すると1週間連絡を怠った落札者から「僕が落札したのに、なんで権利を取り消したんですか? どうしてもほしいから売ってください!」と言って、毎日ストーカーのようにメールがきた(当時のヤフオクはメールでやり取りをしていた)。あれには閉口した。
ヤフオクで不用品を売却するときには、クレーマー対応に神経をすり減らすこともあると心得ておいてほしい。
なお私は「B宝館」でコレクションのダブりを売ることがあるので、警察から古物商許可を取っている。個人の趣味としてチマチマ不用品を売買する分には、古物商の免許なんてわざわざ取る必要はない。
ボンカレー初期のパウチは2万円。70年代前半の仮面ライダースナックは…
サラリーマン向けのビジネス書を読んでいると「仕事の複線化」とか「週末起業」といったキーワードがよく語られる。親が現役時代に集めたコレクションを引き継ぎ、チマチマ何年もかけて地道に売却していけば、最終的にそれなりのお金に生まれ変わる。親が死んでから遺品整理業者に丸投げして全損になるよりも、よほどマシだと思う。
知識があるかないかで、週末起業でいくら生み出せるかの金額が、ケタ違いに変わってくる。あまりにもマニアックすぎて恐縮なので、以下は極端な例として聞き流してもらいたい。
皆さんが一度は口にしたことがあるボンカレーは、最初に発売されたときには、透明のビニール袋にカレーが入っていた。今ではアルミパウチの袋だ。透明ビニールのパウチは、オークション市場では2万円の高値で取引されている。万が一、親の実家の保存食入れに大昔のボンカレーが見つかれば、それが2万円で売れるのだ。
1970年代前半に売られていた仮面ライダースナックにしても、お菓子のオマケとして入っていたカードよりも、空袋のほうが高い値段で取引される。工業デザインという観点で、こういうものを片っ端からコレクションしている人がいるのだ。
暇な時間にヤフオクを毎日眺めているだけでも、「この種のミニカーは量産型だし価値がないからジャンク品扱いなのだな」とか「おっ、このモデルのミニカーは2000円するのか」といった相場観がだんだんわかってくる。