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 古本にしても、専門技術書やカタログ、説明書など、普通は捨てられてしまうマニアックなものほど高い値段がつく。中にはそのニッチ市場でビジネスをしている人もいる。

 昔は「毎度おなじみ、チリ紙交換です」とアナウンスを流しながら、軽トラで古新聞や古雑誌を集める業者がいた。今は古紙回収に回したところで、トイレットペーパーなんてもらえない時代だ。それに今では自治体が古紙のリサイクル回収をやっているから、民間企業が出る幕はない。

 そこで頭がよい人は、近所にビラを大量にポスティングして「処分に困った古本を何冊でも出張回収します。料金は無料です!」と呼びかける。片っ端から集めた本は、郊外に安い家賃で借りた倉庫の中にダーッと並べる。ベストセラーなんて全然値段がつかないわけだが、「これはほとんど現存していないマニアックな印刷物だ。売れそうだ」と勘が働いたものを、片っ端からヤフオクに出品していくのだ。

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「まんだらけ」のピシッと正確な値付けには感心した!

 JR中野駅前「中野ブロードウェイ」にある「まんだらけ」では、ブリキのオモチャや食玩、フィギュアや古書に10万円単位の値段がついていることがある。普通の店ではせいぜい実勢価格の3割でしか買い取ってもらえないところ、「まんだらけ」は2割上増しして、実勢価格の半額で買い取っているようだ。だから「すごく買取価格が高い」と評判になってあれだけ急成長した。

 テレビの撮影で「まんだらけ」の倉庫を見せてもらったことがある。それぞれの分野のオタクがスタッフにたくさん揃っているため、値づけが素晴らしく適正だった。「グリコのオマケなんてさすがに相場を知らないだろうな」と思って値段を見てみたら、ピシッと正確な相場の数字をつけていて感心した。

 ヤフオクやメルカリで地道に出品すれば、実勢価格の9割を回収できる可能性もあるが、それをやっているとお宝の保管コストがどんどんかさむ。出品や発送の作業にかかる手間も膨大だ。そこを省略したいならば、二束三文で買い叩かれない「まんだらけ」に親が残したお宝をもって行き、一括で引き取ってもらう手もある。

 何度も繰り返しになって恐縮だが、まずは大前提として「親とよく話し合う」。これが基本だ。マニアは自分のコレクションを自慢したくてたまらないので「これ、超カッコいいですね!」「へえー、そうなんですね!」と興味をもって話をもちかけられたら、いくらでもベラベラしゃべって教えてくれる。親の気を良くしてあげたうえで、親が死ぬ前から金目のものについて勉強しておく。これがあなたにとって一番適切な行動だ。