〈あらすじ〉

 1981年5月10日、ミッテラン大統領が誕生し、パリの街は喜びと変革への希望に沸いていた。

 84年、長年専業主婦だったエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)は、突然夫に去られ、2人の子どもを養うためにラジオ局で働き始める。深夜番組のリスナーからかかってきた電話を受けて、パーソナリティーのヴァンダ(エマニュエル・ベアール)に繋ぐのが、彼女の業務だ。

 ある日、タルラ(ノエ・アビタ)という少女がゲストとしてラジオに出演。帰る家がない彼女に、エリザベートが自宅の小部屋を提供すると、息子のマチアス(キト・レイヨン=リシュテル)とタルラは互いに惹かれ合うように。

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〈解説〉

 80年代のパリが舞台の、ある家族と孤独な少女の7年間の物語。『アマンダと僕』のミカエル・アース監督の長編第4作。111分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆ストーリーよりもパリの景観や生活のディテールに注目(喫煙へっちゃら。男女とも)。C・ゲンズブール、さすがの貫禄。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆男女の肌の触れ合いを随所で実感させつつ、押しつけがましい視点を慎重に避けている。80年代特有の寛容さも伝わる。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆夫が去って暮らしや学費に弱るヒロインの心細さは切実。家族が離れ集い、他者をも気遣う4年後の姿は逞しく美しい。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆80年代オマージュと共に、あの頃を生きた人たちと現在の日常感覚がそっと重なる。アース監督が宿らせる詩情は格別。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆演じない事を演じる役者達、それを支える完璧な周囲。リヴェット作品への愛。バタクランへも続くビターな懐かしさ。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©2021 NORD-OUEST FILMS - ARTE FRANCE CINÉMA

INFORMATION

『午前4時にパリの夜は明ける』(仏)
4月21日(金)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次公開
https://bitters.co.jp/am4paris/