1ページ目から読む
3/4ページ目

――後輩にも多くの人気アナウンサーがいました。

高橋 私の1期下に平井理央ちゃん、その下に本田朋子ちゃん。さらにその下に生野陽子ちゃん、加藤綾子ちゃんがきて。ちょうど挟まれていましたね。

高橋英樹にアドバイスを求めると…?

――先輩や後輩の活躍を見て、どういう気持ちでしたか?

ADVERTISEMENT

高橋 みんなすごいなって。それはそうだよな、アナウンスメント能力はもちろん、超可愛いもんなって(笑)。

――嫉妬したり、苦しくなることはありましたか?

高橋 人を見て嫉妬するということはなかったですね。誰かにネガティブな感情を抱くこともなかったですし。あくまで自分の中だけです。どうして私には仕事が来ないんだろう。どうして私は自分が思っているような仕事ができないんだろう。どうして私はこんなに叩かれるんだろうって、自分の中での出来事でしたね。

 ただ、今考えれば、私のビジュアルだけじゃなくて、私が醸し出している雰囲気だったり、叩かれて負のオーラを背負っていたり、萎縮したり、自分のやりたいことができていない悶々としたものとかが、多分雰囲気として出ていたと思うんですね。やっぱり制作側からしたら、そんな子使いたくないじゃないですか。もっと元気でハツラツとして、明るくパワフルな子を使いたいと思うから、あの時は純粋に負のスパイラルにいたんだなと思います。

©文藝春秋 撮影/釜谷洋史

――相談された人はいましたか?

高橋 両親には相談しましたが、うちの両親は昔から𠮟咤激励型なので、何かあったときに、「よしよし、大丈夫?」と慰めてはくれない。

「それっ!マーサ!跳ね飛ばせ!頑張れ!負けるな!」って。ちょっと勤務が辛いとか、人間関係が辛いとかあったとしても、「頑張っているね」なんて言ってくれなくて。「頑張れ!負けるな!」と。「パパとママはこうやって乗り越えてきたんだ!!」みたいな励ましがすごかったです。

 ただ、入社して3年ぐらいのときに、本当に辛くて辞めようかなって思ったんです。

 そのときに父から、「何か壁にぶち当たった時に回避する癖がついてしまうと、今後、また悩みや壁にぶち当たったときも、ずっと回避し続ける人生になってしまうから、耐えなさい。それを乗り越える力をつけておきなさい」と言われて。それを耐えて今があるし、「大変ね、こんなに痩せちゃって、辞めましょう」というしつけをする親だったら今の私がないと思うのでありがたいなと思います。