1ページ目から読む
4/4ページ目

 それに3年で辞めたら、「高橋英樹の娘って根性ないね。高橋英樹のしつけが悪かったのよ」って言われるなと。父の名前を汚してしまうと思って、踏みとどまったのもありますね。

――今のように、高橋さんの明るいキャラクターが引き立つようになってきたのはいつくらいでしょうか?

高橋 入社5年目くらいから「最初はコネだと思っていたけど、ニュース原稿を読ませたら結構上手いよね」とか。「バラエティーで、案外体張ってて面白いよね」と、だんだん周りが言ってくださるようになったんです。今まで「何、あの子」と言われていたのが、いい風に見てくださるようになってきて。

ADVERTISEMENT

マツコ・デラックスや人気芸人たちが口々に言いはじめたこと

――なにか変化するようなきっかけがあったのでしょうか?

高橋 先ほどの父の「乗り越えなさい」という言葉の他にも「誰でもいい仕事こそ、一生懸命やりなさい。最初は誰でもいいと思って頼んだけれど、マーサに頼んで良かったねって。じゃあ、次のナレーションもマーサに頼もうか。次の新しい企画もマーサに頼んでみようってなるから」と言われて。はじめはそんなわけないよって思っていたんですけど、それでもコツコツコツコツ。やりたくない態度でやるのではなくて、一生懸命頑張るっていう態度でやっていたら、仕事が増えていった感じですね。

©文藝春秋 撮影/釜谷洋史

――一気に増えたというより、積み重ねでだんだんと。

高橋 はい。他にも5年目の時、マツコ・デラックスさんが「アタシ、マーサのニュース読み好きなのよ」って言って下さったおかげで、今まで私のニュースなんて見たことなかった人が、たとえばBSでコツコツ読んでいたニュースを見て、「確かに、ニュース読みちゃんとしているよね」とか少しずつ風向きが変わってきました。

 また、千原ジュニアさんやバナナマンさんが、「マーサは面白い」と言って下さったおかげで、どれどれ本当だ。面白いね、みたいになったというのは実際あって。周りの方々のおかげで5年目からすごく変わったと思います。

――周りの反応も変わっていったんですね。

高橋 だんだんいい風に見て下さって。たくさんお仕事が頂けるようになったときは、周りの同僚が「本当に良かったね、真麻」って。私が苦労していたのを知っていたので。激ヤセしたり、精神的に病んだりしていたのをみんな見てきたから、同僚からは温かい言葉を掛けられました。

 でもその後、私の人生を大きく変える出来事が…。(続きを読む)

撮影 釜谷洋史/文藝春秋

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。