同僚の女性アナウンサーが住むマンションに押し入ったとして、今年の2月20日に逮捕、ストーカー規制法に基づく禁止命令を受けたものの、その後不起訴になっていたNHK札幌放送局の船岡久嗣アナウンサーに対し、同局からの処分が発表された。

 4月28日に発令されるという処分の内容は「諭旨免職」。退職を推奨するという意味だが、事実上の解雇処分だ。

 皆さまのNHKはなぜこれほど重い処分を課すに至ったのか。船岡アナウンサーの犯してしまった過ちを詳報をした当時の記事を再公開する。(初出:2023年2月23日。年齢・肩書は当時のまま)

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 キャリアも家庭も順風満帆。NHKのエリートアナウンサーという輝かしい肩書をふいにしてまで、なぜ男は同僚女性のマンションに押し入ってしまったのか。

 警視庁中野署は2月20日、NHK札幌放送局のアナウンサー船岡久嗣容疑者(47)を邸宅侵入容疑で逮捕した。船岡容疑者は大相撲の中継や五輪の開会式のラジオ放送にも抜擢されたことのあるNHKを代表するアナウンサーの一人だ。大手紙社会部記者が解説する。

オートロックを突破して、女性の部屋に侵入

「船岡容疑者は2月17日の深夜、20代のNHK女性アナが住む東京中野区のマンションの一室に侵入しました。玄関のオートロックは別の住人が入るのを見計らって突破したようです。女性アナの部屋に押し入ったところ、その場にいあわせた知人の男性ともみあいになり、逃走を図って3階共用部のベランダから飛び降りたところけがをして入院。2日間の入院を経て警視庁が逮捕しました」

職員の不祥事にNHKが揺れている Ⓒアフロ

 まず頭に浮かぶのは「なぜ?」という疑問だ。被害女性との間にトラブルがあった可能性もささやかれているが、現在も詳しい動機は不明のまま。NHKの期待の星に何があったのか。