「くさっ」っと顔を背けられ「気持ち悪い」と言われた中学時代
地元の中学校に進学すると、山口さんの女性に対する苦手意識は一気に膨らんだ。
「今思えばいじめられていたんだと思います。男の友達はそれなりにいたんだけど、女子の当たりがキツくてね……。プリントを配る時とか、廊下ですれ違う時に『くさっ』って顔を背けられるんです。あげくの果てに小学校時代に告白された子からも『気持ち悪い』と言われて、僕も思春期ですから傷ついて塞ぎ込んじゃって……」
中学時代に女性に対して苦手意識を植えつけられた山口さんは、男子高校に進学。その後、大学まで進学したが、引きこもりの果てに2年生で中退。運送会社になんとか就職したが、ここもまた男性ばかりの職場だった。
「周りが結婚したりするのを見て、20代の頃はまだモテることを諦めてはいませんでした。モテると思ってお酒とタバコをはじめ、『ギャンブルはモテないらしい』と聞いてパチンコも麻雀もやりませんでした。小説家になるという夢も捨てて、モテることだけを目指してきたけど、小学校の時のようなモテ期は二度と来ませんでした」
風俗も苦手、アダルトビデオを経てtwitter「選手権」と出会う
風俗に行ったこともあるというが、「会話が本当にダメ」という山口さんは楽しむことができず、ありあまる女性への欲求を受け止めてくれたのは、アダルトビデオだった。
「僕は若い頃、有名なロックミュージシャンが27歳で死ぬ“27歳クラブ”に憧れてたんだけど、カート・コバーンが27歳で死んだ時に僕はもう30歳とかになっててね、もう何にも夢がなくなっちゃった。その頃からは、家に帰るとAVばかり見ています。自分の年齢と近い女優さんが出てるものを携帯で調べて、レンタルショップに借りにいく。AVは事前の調べが重要なんです。その一環でTwitterで女優名を検索してた時に『選手権』っていうアカウントが出てきたわけですよ」
「選手権アカウントは気に入ったAVを探すのに最適だった」と語る山口さんは、ある日Twitterで初恋の相手に似た2分ほどの性動画を見つけてしまった。
「初恋のあの子に似た顔の女性が出てきてびっくりしました。年齢的にも“ちょうどいい”感じのいわゆる熟女モノでした。気になって、この女性が誰なのか調べてもわからなかったんだけど、動画の全編を見たい欲に勝てなくて、その投稿をしていたアカウントをフォローしました。DMを送ると『PayPayで300円』と言われ、その時はじめてPayPayを知ったのですが、なんとかダウンロードして300円を払って全編動画を購入。次にまた同じ女性の動画があったので、今度は150円で購入しました。どちらの時もやり取りが終わると『DMを削除してください』と言われ、怪しいなとは思ったのですが言われるままに削除しました」