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――なぜ長くなったのでしょうか。

つげ まずはご自身の責務をまっとうしようというご意欲がとても強いのだと思います。言葉の選び方ひとつを取っても、たとえば成年を迎えられたお気持ちを問われた際には「今までのあっという間なようで長くも感じられる充実した月日を振り返りますと、これまでのあらゆる経験は多くの方の支えやご協力があってこそ成し得たものだと身をもって感じております」と答えていらっしゃいましたよね。普通は「これまでの日々を振り返ると、周りの方々のおかげだと思います」というくらいで終わってしまうところだと思いますが、どんな人にもきちんと言葉を伝えたいというお気持ちを強く感じました。

 また、関連質問ではウクライナ情勢について問われていましたが、とても難しい質問だったと思います。「政治的な事柄を含むのでお答えは差し控えます」とすることもできた場面でしたが、ここも真摯に向き合っていらっしゃって感動しました。

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2021年愛子さまのお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

――ウクライナ情勢についてのご回答では、天皇陛下の「国と国との間ではさまざまな緊張が今も存在しますが、人と人との交流が国や地域の境界を超えて、お互いを認め合う平和な世界につながってほしいと願っている」という言葉を引用されていました。

つげ「ちょっとメモを見させていただきます」と断ってから陛下の言葉を述べられたのは、間違えては失礼にあたるということでしょう。愛子さまの真面目さがよく表れたシーンでした。他にも「皇室は国民の幸福を常に願い、国民と苦楽をともにしながら務めを果たす」という上皇陛下のお言葉を引用されるなど、皇族の一員として、ご自身が陛下と同じ考えであることを示そうというご意図もあったように思います。

眞子さんの結婚については「天皇陛下や秋篠宮皇嗣殿下のご判断によるものと」

――一方で、眞子さんの結婚については「私から発言することは控えさせていただきたいと思います」、天皇皇后両陛下からかけられた言葉についても「具体的にどのような言葉というのは、ここでは差し控えさせていただきたい」とお答えになる場面もありました。

10月26日、記者会見に臨んだ小室眞子さん ©︎JMPA

つげ 眞子さんの結婚については「天皇陛下や秋篠宮皇嗣殿下のご判断によるものとうかがっております」と述べられていました。ご自身の立場をわきまえ、よく考えて話されているなという印象です。ご両親からかけられた言葉については、愛子さまも含め皇室の方々は公と私を分けてお考えになっているからなのか、具体的におっしゃらないのが常ですね。反対に、小室圭さんは眞子さんとの婚約が最初に報じられた際、眞子さんとこんな話をした、こんな言葉を交わしたというようなことを記者に言ってしまって批判を受けたことがありました。