ライブに2万人殺到「2日間、徹夜した少女も」
「後半にはバンドでステージに立つシーンもあります。映画の主題歌にも挿入歌にも男闘呼組の曲が使われて、同時上映は『少年御三家』の日本武道館の記録映画でした。
当時よくあったアイドル映画かと思いきや、その出来上がりは非常に評判が高かった。ヨコハマ映画祭やキネマ旬報ベストテン、毎日映画コンクール、日本アカデミー賞の話題賞などたくさん受賞しました。いまでも文化人でファンを公言するひとが多くいます。
当時、公開記念で、光GENJIとジョイントして『前夜祭だよ!男闘呼組&光GENJI』というイベントが開催され、ミニコンサートと映画上映があったんです。2500枚の当日券のみ販売されると聞き集まったのは2万人以上。2月の極寒のなか、2日間徹夜したという少女もいたし、チケットを求めるために学校をさぼったとして8人の中学生が補導されたというのも社会ニュースになりました」(同前)
とりわけ演技への評価が高かったのは、高橋そして岡本だったという。
キムタクが岡本の影響で「ホットロード」ファンに
「役者としての技量は、高橋が飛びぬけていました。彼の父親が経営する飲食店には昔から俳優とかミュージシャンが集っていて、中学生の頃からセックス・ピストルズを聴いていたような環境で、自然に感性が育っていたのではないかと思います。
一方で無骨ながら味があったのが岡本。役柄にフィットしていたのもあるが、青年の繊細さを醸し出すのが上手かった」(映画関係者)
後輩にあたる木村拓哉は、この映画で男闘呼組にさらに憧れたと言っているという。
「『10回以上、穴のあくほど見た。映画の最初に岡本演じる人物が漫画『ホットロード』を読んでる場面に影響されて、作者の紡木たくさんの漫画を買い集めたくらい』、と。その後岡本のファッションやヘアスタイルなども真似したって言っていました」(同前)
その後国民的グループとなるSMAPにも多大な影響を与えたのが男闘呼組だというわけだ。