昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2018/02/18

2年後に真打になったとしたら……

――松之丞さんが、これからどういった形で「山」を登ろうとして行くのか、それを同時代の我々は見届けることが出来るのが幸せなわけですが、ここからは講談師としての将来のプランをうかがいます。今年は1月3日から、東京・渋谷にある「シブゲキ!!」で5夜連続の『寛永宮本武蔵伝』完全通し読みも即完売、存分に楽しませてもらいました。

松之丞 正月早々、ありがとうございました。正月に連続読みをやると、自分としても、お客様としても達成感というか、スタートダッシュが決まっていいんじゃないかと(笑)。それと、5日間読み通してみると、「あ、これはできるな」と思ったんです。

©橘蓮二

――できる? どんな手ごたえを感じたんですか。

松之丞 この調子で読んでいくなら、長期間の公演が十分に出来ると思ったんです。去年もお話ししましたが、寄席演芸の世界で、興行としての成功例が立川志の輔師匠の「志の輔らくご」です。今は建て替え中ですが、渋谷のPARCO劇場で1カ月公演を打って、すべてが売り切れ。私の場合は、講談の魅力をいちばん伝えられるのが全十話以上の「連続物」だと思っているので、同じ読物を1週間単位で読んでいく。「武蔵」を読んでみて、体力的にも十分に出来るという手ごたえがありまして。

――なにか、階段を上がった感じですね。数年後を見据えながら、布石を打っているというか。

松之丞 現状では、正月公演が毎年恒例の「松之丞詣」になるといいなと思ってるんです。来年は『慶安太平記』全19席を通しで読みます。将来的にはどの劇場がいちばんいいのか、数年後に自分がどんな位置にいるのかを想像しながら、探っていきたいですね。

――ちなみに、2年後に真打になるとして、名前、変わるんですか?

松之丞 いや、松之丞のままでしょう。6年後だったら変えてもいいかもしれませんが、2年後ならば、神田松之丞です。

*後編〈天才講談師・神田松之丞の悩み「講談師は絶滅寸前、向いている人とは?」〉に続く

©榎本麻美/文藝春秋

この記事の写真(6枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z