「珠代! パンティーテックス! 珠代! パンティーテックス!」
「ボインボインボイン珠代です珠代です、うっひょ~うっひょ~」
代表的なギャグは数え上げればキリがない。常識を裏切る独特の身のこなし、予想をはるかに上回る奇天烈な持ちネタ――笑いの総本山「なんばグランド花月」で連日のように上演されている吉本新喜劇を支える看板女優・島田珠代さん。
10代でお笑いの世界に足を踏み入れ、今年で芸歴35年。バラエティ番組に出演した際のあまりにも派手なパフォーマンスがウケて、近年、若い世代にも知名度と人気が高まっている。
だが関西、それも劇場を中心に活動しているだけに、彼女の全貌を知る者は少ない。吉本新喜劇が生んだ超然絶後の爆弾コメディエンヌは一体何者なのか。50歳を超えてもなお舞台上で進化を続ける島田珠代のすべてに迫った――。(全2回の1回目/2回目を読む)
◆◆◆
期間限定で新喜劇の座長を務めることに
――芸歴35周年の節目の年だそうですね。おめでとうございます。
島田 ありがとうございます。本当のところ、会社としては30周年の区切りで祝ってくださるつもりだったらしいんですけどね。私が「まだ芸歴10年の中堅です」ってごまかし続けてきたのもありますし、周年のお祝いなんて「イヤや、イヤや」と断り続けてきたせいもあって35周年っていう中途半端なことになってしまいました(笑)。必死に5年間逃げてきましたけど、とうとう掴まっちゃいました。
――そんなにイヤなものですか。
島田 主役みたいな扱いをされるのが、居心地悪くてホンマにダメなんですよ。記念に新喜劇の座長という大役を、5月16日~22日の7日間だけ任せてもらうことになったんですけど、もう今のうちから「はよ終われ~はよ終われ~」って祈ってます。
ハングリー精神があるからアドリブの方が燃える
――新喜劇の看板女優さんがそんな風に思ってたのは意外でした。
島田 私なんか、普段は気ままに、自由にやらせてもらってますから。ちゃんとセリフが付くようになったのも最近のことですよ。昔はト書きで「珠代出てくる」ってあって、そのあとはページの半分以上波線が書いてあるだけ。ご自由にどうぞ、でほったらかし状態(笑)。30年以上、アドリブで乗り切ってきたような気がします。