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 しかし、もともとスマートフォンのカメラは、プロが使うようなデジタルカメラに比べて、サイズが小さく、撮影できる画質の向上には限界がある。そこで、各スマートフォンメーカーが開発競争しているのが「コンピュテーショナルフォトグラフィー」という領域だ。

 コンピュテーショナルフォトグラフィーとは、コンピューターのチカラで撮影した画像を綺麗にしていく手法だ。スマートフォンには世界最先端の半導体が搭載されている。この半導体にAIの処理を行わせることで、デジタルカメラにはできない画質の向上を行っているのだ。

 スマートフォンのカメラは、実はシャッターを押した瞬間だけでなく、その前後にもすでに撮影を行っていて、何十枚もの写真を記録している。それらを一瞬で分析し、どんな人物が写っているのか、どんな場所で、太陽光はどこにあるのか、などを判断している。

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 人物の顔に対しても、髪型や髪の質感、肌の色や光の当たり方を分析して、人間が最も綺麗だと思える画質に一瞬で仕上げている。

「何気なくシャッターを押しただけで撮りたいものにピントが合う」性能にも今年からさらに進化が…

 昨年発売されたあるスマートフォンでは、センサーが被写体に光を当てて、跳ね返ってくる時間で距離を測定してピントを合わせるということをしていた。

しかし、今年になって、AIが進化し、AI自体が、被写体との距離を認識し、最適なピントを合わせられるようにもなってきている。

 スマートフォンのカメラは、誰でも簡単に撮影できるのが魅力だが、それもこれもAIが一生懸命にピントを合わせ、ブレた画像や、明るすぎたり、逆に暗すぎるようにならないよう、何枚も写真を重ね合わせて、最適な写真を一瞬で作り出しているのだ。