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『あさが来た』の五代役で女性ファンが激増

 ブレイクしたのは、15年の朝ドラ『あさが来た』の五代友厚役。女性ファンが激増し、「おディーン様」と呼ばれて親しまれた。同作にも資料提供をした、前出の門松教授が言う。

「ディーンさんを格好良く見せようとしたわけではなく(笑)、実際、五代は明治期に関西の経済界を立ち上げた重要な人物です」

ハマリ役となった五代の像と(ディーン・フジオカのインスタより)

 18年公開の、自動車会社のリコール隠し事件を描いた映画『空飛ぶタイヤ』では自動車メーカーのサラリーマン役を熱演した。監督の本木克英氏が語る。

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「大企業の理不尽さに葛藤しながらも、そこを離れることはできない虚しさを、深く理解して演じていました。本人は『カッコつけずに日本人の真摯さが映ればいい』とも言っていました。ロケの空き時間、主演の長瀬智也さんやスタッフたちとカラオケに行ったそうで、戻ってきて楽しそうに話していたのを覚えています」

ディーンが父から受けていた“特殊”な歴史教育

 21年には大河『青天を衝け』でも五代役を演じ、今作の龍馬役にあたって、「子供心に憧れた生き様」と語っているディーン。彼は子供の頃、歴史好きな父の“特殊”な歴史教育を受けていたという。

「お父さんは社会人になってから自分で本を読んで歴史を好きになった。子供たちには少しでも歴史に興味を持って欲しいと思い、『三國志』や『信長の野望』などのゲームで遊びながら、歴史に慣れ親しむようにしたのです」(前出・知人)

万太郎役の森優理斗と(NHK朝ドラ『らんまん』公式インスタより)

 テストの成績が良かったときに貰えるご褒美も、

「日本史や世界史の学習漫画のシリーズを買っていました。それゆえ、勉強している感覚なく、自然と知識を身につけることができたのだろうとお父さんは言っていました」(同前)

 歴史上の人物役で大ブレイクした背景には、こんな“史実”が隠されていた。