「史実としては、慶応3年(1867年)、坂本龍馬は土佐にはいません。最初にお話を伺った時、NHKの方にそうお伝えしました」
と、語るのはNHKの朝ドラ『らんまん』の時代考証を務める東北公益文科大学・門松秀樹教授である。
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土佐には“いなかった”龍馬をどう出したのか?
龍馬を演じるのはディーン・フジオカ(42)。主人公の槙野万太郎を植物学者へと導く“天狗”として登場した。「おまん」「ぜよ」など、お馴染みの土佐弁を巧みに使いこなし、視聴者に存在感を印象付けた。
「プロデューサーは『(モデルの)牧野富太郎博士は学者版の坂本龍馬』と語っていました。どちらも土佐出身で、一途な思いを持ち続け、周囲を惹き付ける。それが幼少期の出会いに繋がっています」(NHK関係者)
万太郎の幼少期は龍馬が土佐藩を脱藩し、各地を奔走していた時期。そこで「ぜひ龍馬を出したい」と制作サイドに言われた門松教授は、冒頭のように答えたという。
「実際には会ってはいないのですが、調べてみたら、当時龍馬は下関に滞在していた。この時、何日か風邪で伏せって誰にも会わなかった時期があるんです」(門松教授)
その数日間で、海路なら土佐に行って帰ってくることは不可能ではなかった。
「迎えに来た侍に『下関におることになっちゅうがですき』と言わせることで、史実も踏まえた作りになっています」(同前)
ディーンの妻はインドネシアの資産家の娘
1980年、ディーンは福島県に生まれた。高校卒業後、アメリカに留学。「ディーン」は当時のホストファミリーに貰った名前だ。
「海外に目を向けるようになったのは、IT関連メーカー勤務のお父さんの影響が大きいと思います。英語に親しませるため、ディズニー作品のDVDを買い揃え、吹き替えではなく字幕で見せていた」(父の知人)
香港、台湾、インドネシアなどアジアで芸能活動。私生活では、12年にインドネシア人女性と結婚した。
「奥さんはインドネシアでも有数の資産家の娘。父が会長を務める生薬メーカーは、年商3.8兆ルピア(日本円で約300億円)と言われています。17年に3人目の子供が生まれました」(芸能記者)