男子フィギュアスケートの羽生結弦選手がショートプログラムとフリーの合計点で317.85を記録し、ソチ冬季オリンピックに続いて夢の2連覇を成し遂げた!

フリーの演技を終え、会心の表情を見せる羽生選手 ©getty

「あなたはアジアの自尊心」

 オリンピックの男子フィギュアスケートにおいて、2大会連続金メダルは66年ぶりの快挙。

 韓国のインターネットでも、「鳥肌が立った」、「本当におめでとう~」、「66年ぶりのフィギュア2連覇、おめでとうございます。あなたはアジアの自尊心」、「羽生、膝、足首、関節の負傷もあって3週間ぶりに始めたのにすごい」、「オリンピック2連続金メダルすごい、羽生おめでとう」と連覇を祝うメッセージなどが次々と書き込まれた。

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 メディアは、「フィギュア王子日本の羽生・金メダル 66年ぶりにオリンピック2連覇」(KBSニュース)と2連覇をストレートに讃えるものや「プーマニア羽生 激情的な演技」(スポーツ京郷)、「66年ぶりにオリンピック2連覇 プーのぬいぐるみは平昌へ寄付」(スポーツ韓国)と羽生選手が好きなディズニーキャラクター“くまのプーさん”に触れたものも目立った。

演技終了後、リンクには多くの「プーさん」が投げ込まれた ©getty

 韓国でも「フィギュアの王子」「氷上の王子」などと呼ばれ、韓国の人気俳優、イジュンギやユン・シユンにも似ていると囁かれる羽生選手。ファンのコア層は30~40代の女性に多い。熱烈な羽生ファンの30代後半の韓国人の知り合いは、平昌オリンピックが始まると、「痛めた足が大丈夫なのか、姿を見るまでは心配で、心配で、最近眠れない」とこぼしていたので、さっそく電話してみると、

「もう、完璧。とにかくケガしないようにと祈っていたけど、本当にすごい。あー、もう泣けるー」

 と涙声。

©JMPA

しばらくは言葉が出なかった韓国の解説者

 韓国のテレビ(SBS)解説者は、羽生選手の演技が終了すると、しばらくは言葉が出なかった。ようやく、「よくやりました」とゆっくりと解説を始めると、その後は演技ひとつひとつを振り返りながら、途切れ途切れに賛辞が続き、「ものすごいジャンプ」、「まるで宙に浮いているような長い滞空時間」とため息を漏らしていた。

 正直なところ、韓国では、今回の平昌オリンピックでのフィギュアスケートへの関心は女子も男子もさほど高くなかった。「国民の妹」と呼ばれたバンクーバー五輪の金メダリスト・金妍児(キム・ヨナ)選手が引退した後は目立った選手がいないため、どちらかというと、メダルに近いスピードスケートなどに注目が集まっていたからだ。