5月1日、フィギュアスケート・アイスダンスの“かなだい”と呼ばれる村元哉中(かな)(30)・高橋大輔(37)ペアが、インスタグラムで今シーズン限りでの引退を発表した。
2人にとって、最後の演技となったのが、先月13日に開かれたフィギュアスケートの国別対抗戦だった。
国別対抗戦は、男女シングル、ペア、アイスダンスの選手でチームを構成し順位を争う団体戦。3月の世界選手権で3つの金メダルを獲得していた日本は、宇野昌磨の欠場などが響き、前回に続いて3位にとどまったが、その中でひと際大きな喝采を浴びたのが、「かなだい」だった。フリーダンスでは、自己ベストを更新する高得点を叩き出し、今シーズンを終えたのだった。
「現役継続は関係者の共通の願い」
国別対抗戦での報道陣の注目の一つが、かなだいの去就だった。
エキシビション前の取材で、高橋はこう語ったという。
「(今後も競技を続けるか)分からない」
大会直後、一般紙の記者はこう明かしていた。
「現役継続は関係者の共通の願いでした。ベテランの高橋に肉体面などに不安もあるのが確か。ただアイスダンスは時間をかければかけるだけ息が合っていきます。村元、高橋両選手もここに来て合うようになってきた。今も表現力は高く評価されていますし、続けていけば世界でも有数のカップルになる可能性がある。ぜひ続けて常識を覆してほしい」
何より、ファンからの熱い声援があった。
「国別対抗戦は、国内開催だった世界選手権から間もなくで集客面が心配されていましたが、杞憂でした。その原動力の一つがかなだいでした。それは、観客席の『かなだい』ファンの多さからも明らかです」(同前)