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家裁の審判は「当事者の離婚意思を欠き、無効」
家庭裁判所は昨年3月18日、次のように審判を下している。
〈申立人(A子さん)は、令和4年1月3日、相手方(遊佐氏)から離婚届に署名押印を求められたが、拒否した〉
〈相手方は、離婚届の申立人及び相手方の氏名、住所、本籍等及び届出人署名の相手方部分を自書し、申立人の署名及び証人欄は知人に依頼して記載させて、届出人署名欄に申立人の実印を冒用して押捺し、令和4年1月7日、離婚届を提出した〉
つまり、家庭裁判所は、遊佐氏が自らA子さんの氏名、住所、本籍などを記入し、さらに知人に依頼して無断でA子さんの署名をさせるなどして離婚届を提出していたと事実認定したのだ。そのうえで、こう結論付けている。
〈申立人と相手方との協議上の離婚は、当事者の離婚意思を欠き、無効であることが明らかであるといえる〉
それから間もなく、遊佐氏は再びA子さんに離婚を迫り、4月28日に正式に離婚が成立した。ところが直後、遊佐氏が別の女性B子さんと5月2日に結婚し、それ以前に子供も儲けていたことが発覚。憤りを覚えたA子さんは、遊佐氏の行為が偽造有印私文書行使罪などに当たるとして警察に被害相談を重ねてきた。
離婚問題に詳しい田村勇人弁護士(フラクタル法律事務所)が指摘する。
「離婚届が届出人の同意なく署名し、提出された場合は、偽造有印私文書行使罪に当たり得ます。今回の場合、届出人が偽造を主張し、家裁で無効が確定していることから同罪に当たる可能性が高い。法定刑は3カ月以上5年以下の懲役です」
遊佐氏に事実関係の確認を求めたところ、メールで主に以下のような回答があった。