「逮捕で初めて自分の立場を実感したというか、こんなに色々な人に曲を聞いてもらえてたんやなと自分の無責任さを痛感しました。自分がアーティストを辞めて死ぬ時まで、このありがたみを、今の色濃さのまま心に留めなければいけないと思います。
事件については認めるところも、報道と違うところもありますが、謝罪も含めて自分の言葉で話させて頂きます」
5月某日夕方、名古屋市内の法律事務所。弁護士同席のもと取材班の前に姿を現したのは、ドレッドヘアーというインパクトのある風貌ながらも、沈痛な面持ちで、言葉を絞り出すように話し始めた青年だった。
「自分の口で語る説明責任がある」
彼は若者から支持を集める3人組の人気音楽ユニット「変態紳士クラブ」のメンバーで、「VIGORMAN(ビガーマン)」こと、北浦翔暉被告(25)だ。
北浦被告は今年4月、自宅に乾燥大麻を所持していたとして逮捕され、大麻取締法違反(所持)罪で起訴されていた。その後、保釈されたが、世間では報じられなかった。
変態紳士クラブは2017年に結成してわずか5年で日本武道館でのライブを成功させるなど音楽シーンの注目を集めた。代表曲「YOKAZE」はYouTubeの再生回数が6500万回を突破。今後も順風満帆な道を歩んでいくことは確実と思われた矢先の、突然の逮捕だった。
北浦被告は少し戸惑った表情で、「公判前で話せないこともあります」と慎重に言葉を選ぶ様子ではあったが、「自分の口で語る説明責任がある」と、逮捕への戸惑いや今後の音楽活動について、約2時間にわたりインタビュー取材に応じた。