「爆笑問題」らを擁する芸能事務所「タイタン」から「ウエストランド」と「キュウ」の2組が決勝に進出した『M-1グランプリ 2022』。事務所から『M-1』にエントリーした漫才師はわずか6組にもかかわらず、熾烈な争いを勝ち抜き、さらに、会場の空気を我が物としたウエストランドは優勝を飾る……。小規模事務所のすさまじい快進撃がお笑いファンの間で話題となったことは記憶に新しい。優勝の瞬間、現場にいたマネージャー・八木順一朗氏は、当時の反響をどのように振り返るのか。(全3回の3回目/最初から読む)
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「やってやりましたよ!」
——2組の決勝進出が決まったとき、事務所はどんな雰囲気でしたか?
八木 ウエストランドは2020年にも決勝に行っていたので「今年もまた行ってほしいな……」くらいに思っていたところもあったんですけど、まさか出場した6組のうち2組も決勝に行けるとは……正直想像していませんでした。決勝進出を受けて、事務所の前にポスターを出したんですが、優勝が決まる前も決まった後も、ファンの皆さんが応援のコメントをたくさん書いてくれて、本当にお祭りみたいでしたね。
——決勝本番、八木さんはどこで『M-1』を観ていたんですか?
八木 現場にいました。タイタンの2組が最後まで笑神籤(出番順を決めるくじ)に選ばれなかったので、ずっと気を揉んでましたね。2020年のウエストランドが最後の出番順で、なかなか厳しい結果に終わってしまったので……。正直、2022年大会でウエストランドが最後の出番になったときは「もうダメだろう」と思っちゃいました。
ただ、1本目のネタの途中から「これ、行けるかもしれないぞ」と感じ始めていましたね。
——現場のウケを見て?
八木 そうですね。スタジオ脇でモニターを観ていたんですけど、爆発的にウケているのが伝わってきたんです。
——ネタの途中から、マネージャーの電話が鳴り止まなくなったそうですね。
八木 はい、決勝はマネージャー3人体制で現場に行ったんですが、チーフマネージャーはずっと電話対応をしていましたね。優勝は、事務所としても、マネージャーとしても、僕個人としても本当に嬉しかったです。ウエストランドと事務所に入った時期が同じくらいで、ずっと頑張ってるのを見てきましたし、人としても応援していたので。
——優勝直後、八木さんとウエストランドさんでなにか言葉は交わされたのでしょうか?