「私の人生と相反して、きらびやかな人生を送っていることに殺意が芽生えた」

 東京・台東区の風俗街「吉原」の老舗ソープランドで、従業員の工藤舞さん(38)が今月5日、首などを刺されて殺害された。殺人の疑いで逮捕された男はこう供述しているという。

 逮捕されたのは、警備会社の契約社員・今井裕容疑者(32)。

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 3カ所をサバイバルナイフで刺して、殺害した疑いがもたれている。今井容疑者は、客として店を訪れていた。

 今井容疑者は今月5日の午前10時の予約で工藤さんが働くソープランド「X」を訪れた。1時間20分後の11時20分ごろにXの男性従業員から「女性が男性客に刺された」と110番通報があり、救急車が駆けつけると、個室内の風呂場で工藤さんが首と腹など3カ所を刺されて血を流して倒れていているのが見つかり、病院に搬送されたものの約1時間半後に死亡が確認された。死因は失血死だった。

事件現場となった吉原の風俗店

 事件当日、今井容疑者は女性従業員を刺したあと、自身の腹を刺し、その後入院していた。

 浅草署は今井容疑者の回復を待って、事件から8日後の今月13日に殺人容疑で今井容疑者を逮捕、15日午前には東京地検に送検している。

「X」は1970年に開業し、110分で6万7500円という料金設定の“高級店”ソープランド。女性のレベルも高いが、工藤さんはその中でも予約困難な人気嬢だったという。

 吉原の人気嬢と、今井容疑者の間に一体何があったのだろうか。

亡くなった工藤さん 本人Twitterより

偽名を使い、携帯電話まで新しく契約して来店

「今井容疑者は昨年3月から『X』を複数回を利用し、工藤さんを指名していました。ですが、何らかのトラブルがあり、今年1月ごろに『今後、予約はできない』と“出禁”を告げられていたようです。トラブルの詳細は判明していませんが、過剰な要求などがあったのではないかと言われています」(社会部記者)

 当然、出入り禁止になった客は店を再び利用することはできない。では今井容疑者はどうやって工藤さんと会うに至ったのだろうか。

「今井容疑者は事件の当日、偽名を使って予約を取ったようです。出入り禁止になるまで使っていた携帯電話番号を解約して、新たに契約し直した番号で新規予約を入れ、店のスタッフに気づかれないように変装して来店したとのことです。

 今井容疑者は逮捕後に『自分は先の見えない人生を送らなければいけないのに、彼女(工藤さん)はきらびやかな人生を送っていることに殺意が芽生え、彼女を殺しました』などと供述し、容疑を認めています」(同前)