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「あ、お兄さん警察じゃないですよね?」元彼のホストに貢いだ金額2000万円…20代で「立ちんぼホームレス」になった彼女の人生

『Z世代のネオホームレス』 #1

2023/05/20
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「別れた彼氏とも、たまに会いますね」

 僕は絶句した。か細い声でなんとか「え……2000万円ですか?」と返すのがやっとだった。ホストクラブで散財する女性のエピソードはよく耳にする。しかし、ホームレスになってしまった女性から、2000万円もホストに注ぎ込んだ、という話を聞かされて、僕は心底驚いてしまった。

 マナミさんによると、風俗で働きながらホストクラブに通い、これまでに総額で2000万円を使ったという。大金を注ぎ込んだホストとは付き合うことができた。一時は同棲していたが、結局は自然消滅のような形で別れることになり、当時二人で借りていた部屋も解約。ホストで散財してしまったマナミさんには新たに部屋を借りるお金は残っておらず、ホームレスの生活が始まった。

歌舞伎町 ©getty

 さらに、マナミさんに聞いてみる。

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「ここってめちゃくちゃ歌舞伎町(のど真ん中)じゃないですか」

「はい」

「結構、会うんじゃないですか? (別れた)彼氏さんに」

「たまに会いますね」

「ここにこういう感じで座ってたら(元彼が)びっくりするんじゃないですか? 『何してんの?』ってならないですか?」

「ならないです」

 元彼は歌舞伎町のホストクラブで今も働いているらしく、ホームレスになって路上に座り込んでいるマナミさんの目の前を、出勤途中に通りかかることもあるとか。彼女の口ぶりからすると、もう二人の間で言葉を交わすことはないようだ。別れた相手とはいえ、路上に座り込んでいるのを見て、そんなに無関心のままでいられるだろうか……。

 僕の中に「そもそも元彼はマナミさんのことを大事に思っていなかったのでは? 彼女がどうなろうと、お金を使わせることだけが目的だったのでは?」という考えがどうしても浮かんできてしまう。

 僕が踏み込んだ質問をしても、マナミさんは悲しんだり言い淀んだりせず、感情の見えない虚ろな目をしたまま「はい」「そうですね」と僕のインタビューに答えていた。(#2を読む

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

「あ、お兄さん警察じゃないですよね?」元彼のホストに貢いだ金額2000万円…20代で「立ちんぼホームレス」になった彼女の人生

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