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月給13万円の事務→セクキャバ嬢→立ちんぼに…20代女性がホームレスになっても「ホスト遊び」を続けてしまう理由

『Z世代のネオホームレス』 #2

2023/05/20
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 ホストにハマったことがきっかけで、2000万円だけじゃなく家まで失ってしまったマナミさん。現在は歌舞伎町で立ちんぼをしながら食いつなぐ彼女だが、そんな状況下でも、なぜホスト通いを続けるのか?

 ホームレスの実態に迫るYouTubeチャンネル「アットホームチャンネル」を運営する青柳貴哉さんによる初の著書『Z世代のネオホームレス 自らの意思で家に帰らない子どもたち』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む

歌舞伎町で立ちんぼを続けるホームレス女性へのインタビュー第2弾。彼女はなぜ今も、ホスト通いを続けるのか? ©KADOKAWA

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ホームレスになっても続けるホストクラブ通い

 元彼との経緯を聴いたあとに、さらに驚いたことがある。ホストに2000万円も使ったマ ナミさんは、ホームレスとなった今もホストクラブに通い続けていたのだ。

 しかも、現在マナミさんが通うクラブのお気に入りのホスト、いわゆる“担当”と知り合ったのは、ホームレスになってからだと言うではないか。

 この時のマナミさんは、風俗店で働いていた頃から付き合いのある客や立ちんぼで見つけた男性たちを相手に、1日に2万円を稼いでいた。だが、そうやって得たお金はホストクラブで消えてしまう。

 彼女はホームレスになってから半年ほどだと話していたが、その期間だけですでに100万円以上を新しい担当に使い、数十万円の“掛け”を作っていた。掛けというのは、ホストクラブでの飲食代をホストが建て替えるシステムだ。その分のお金は借金となり、のちのちホストから取り立てられることになる。

 半年で100万円以上をホストクラブで使ってしまったマナミさん。そのお金があればホームレスをせずに暮らせるのでは? 誰もがそう思うだろう。僕もまったく同じ質問をマナミさんに投げかけた。

 またもや「はい」とだけ彼女は答えた。

 その虚ろな目を見ていると、マナミさんに「この人はなぜそんな当たり前のことを聞くのだろう?」と思われているような気持ちになり、僕の方がなんだか不安になってくる。

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