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 地元の人が言うように、1988年のソウル夏季オリンピックのマスコットも「トラ」で、こちらは朝鮮半島に生息していたとされる朝鮮トラ。お茶目な雰囲気のマスコットだ。

「韓国の人は、古くから伝わるトラの逸話には格別な思いがあるんです」(同前)

 スホランは、韓国語のスホ=(大会の)守護という意味とホランイ=虎、そして開催地・平昌のある江原道を代表する民謡「旌善アリラン」を合わせて「スホラン」と名づけられたという。

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真相を探るべく現地を訪ねると……

 さて、冒頭の両脇を抱えられて退場するスホランだが、真相を探るべく現地を訪ねた。

 向かった先は、江陵オリンピックパーク。ここは、アイスホッケー、スピードスケートなどが行われるアイスアリーナが並び、スポンサーの広報館や公式ショップ、レストランなどが点在する巨大パークで、江陵市はソウルからKTX(韓国高速鉄道)で1時間半ほどいった韓国北東部の街だ。

KTXの江陵駅前 撮影/筆者

 入場までうねるような長蛇の列で待つこと30分ほど。セキュリティ検査を通って中に入ると、ほどなくしてスホランを見つけた!

 観光客に大人気で休む間もなくカメラにポーズをとっている。

 おそるおそる近づいて、冒頭の心配ごとをぶつけると、ただただ大きくかぶりを振るだけ。振れば振るほど、その遠心力で中の人間がどうにかなってしまうのではないかと思うほどでいたたまれない気持ちになり、近くにいた地元のボランティアの女性に訊いてみた。

「私たちでも外での仕事は寒くて大変ですから、あんな重いものを着ているし、それに人気があるからなかなか休めないでしょう。私たちも夕方にはヘトヘトになりますから、スタッフがいたわったんじゃないですかね」

確かに頭部はデカイ ©getty

 真相は定かではないが、人気は本物だった。

 もうひとつの、3月9日から始まるパラリンピックの公式マスコット、ツキノワグマの「バンダビ」は今のところ「スホラン」に押されぎみだが、大会が始まれば人気も上がる、かも。

 ちなみにバンダビは、バンダル=半月とビ=(大会を記念する)碑を合わせたといわれる。