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《猿之助“心中騒動”の大波》「段四郎が嫌いな歌舞伎見物衆などいません」あまりに不審な死を遂げた父・市川段四郎の本当の実力

《猿之助“心中騒動”の大波》「段四郎が嫌いな歌舞伎見物衆などいません」あまりに不審な死を遂げた父・市川段四郎の本当の実力

 村上さんにとって1番印象に残っている段四郎さんの姿は、1986年7月に東京・歌舞伎座で開かれた演目「近頃河原の達引」だという。

「脇役が多かった段四郎さんですが、この演目では猿曳与次郎という主役を務めました。このときの印象が鮮烈です。。猿引きという実直な庶民の役で、独特の生活感がないとできない役です。それを見事に演じきったんです。40年近く前の一幕ですが、忘れられないですね」(村上さん)

近年は、体調不良で舞台に立っていなかった

 存在感のある芝居でその実力を轟かせていた段四郎さん。だが2013年12月、猿之助さんの襲名公演となる京都・南座「吉例顔見世興行」公演の最中に倒れ、それ以降は表舞台に出ることなく療養していた。

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一家になにがあったのか Ⓒ文藝春秋

「10年ほど前でしょうか。段四郎さんは当時まだ60代でしたが、セリフを覚えるのにご苦労されていた様子は、舞台でも見受けられました。人より少し老いの進みが早かったのかもしれません。その後、残念なことに表舞台から去ってしまいました。

 もし健康でいらっしゃったなら、そして今回の事件も起きていなければ、きっと今頃は歌舞伎の中心人物となっていたでしょう。それくらい実力を持った素晴らしい役者でした。非常に残念で、悔しくてたまりません……」(村上さん)

 2016年には旭日双光章を受賞するなど、これまで歌舞伎界で功績を残してきた段四郎さんの突然の訃報。その存在は、猿之助さんひいては歌舞伎界にとってどれほどの支えになっていたことか。またひとり名優が去った。梨園の損失は大きい。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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