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「ホークスのこの活動をきっかけに命が助かったんです」

 また、この2日間は鳥越さんの姿もあった。

「ユニフォームを着ていた時は試合前のわずかな時間しか活動に参加できなかったので、今年は試合中の様子などをこの目で見たいと思いまして」

 身長189cmの鳥越さんがブースや検診車の周りに立っていれば、球場に来る野球ファンはすぐ気がつく。たくさん声をかけられた中には、毎年この試合に合わせて乳がん検診を受けていますという言葉もあったという。

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©福岡ソフトバンクホークス

 思いは確実に形となっていた。

「そして1人の女性の方が僕のところに来られて、『私、ホークスのこの活動をきっかけに検診を受けたことで早期発見できて、命が助かったんです』と。それを聞いたときはその場で泣いちゃいそうでした。本当に良かった」

 野球とピンクリボン運動の縁は海の向こうでも同様で、MLBでは母の日を「Happy Mother's Day」とし母への感謝を示すとともに、乳がん啓発運動や寄付などが、2001年から積極的に行われている。

 日米球界の大きな違いは、球団単位なのかリーグ全体として行われているか。

 日本ではソフトバンクのほかに、今年は巨人が「大切なひとウィーク〜GIANTS with ピンクリボン」と銘打ち大きな規模での啓発活動を行ったが、それ以外の動きはなかなか確認できなかった。

 NPBも2021年より「NPBマザーズデー」として、母の日に合わせて感謝を伝える取り組みを行うようになった。以前より前進はしている。それでも、プロ野球は一度に多くの人々にメッセージを送ることのできる貴重な場であるからこそ、NPBには是非もう一歩踏み込んだ活動を行ってもらいたいと切に願う。

 野球で1人でも救える命がある。そして周りの家族の幸せも守られるのだから――。

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