無謀な挑戦なのかもしれない……でも、藤浪晋太郎の“意地”が見たい
でも、だからといって思うような結果を出せずにいる藤浪晋太郎を私たちファンが信じてあげなければ、親族や恋人、友人……身内以外で誰が彼を応援し、支えてあげる事が出来るのだろうか?
応援スタイルは人それぞれだけど、“素晴らしい成績を残している時にだけ”応援するなんて事は私には出来ない。
メジャーでの先発デビューの日。
藤浪投手のお母様が手を合わせながら祈り、とても不安そうなお顔で懸命に応援していた姿を思い出すと、いたたまれない気持ちになる。
何でもいい、何かきっかけさえ掴んでくれたら……アスレチックスの試合速報を見る度にそんな事を考えてしまうし、6月に入って少しだけ本来の姿を取り戻しつつある(ように見える)事への期待も、正直ある。
彼のこれまでの野球人生はきっと、苦しい事の方が多かったと思う。
今回のメジャー挑戦もそうだ。“29歳の藤浪晋太郎”は、彼自身が思い描いていた姿とは違うかもしれない。
だけど、その道は自らの意思で選び望んだのだから、どうか悔いの残らないように全力で戦ってほしい。
今年、海を渡った吉田正尚選手や、プロ同期の大谷翔平投手は、日本で確かな実力と実績を作ってから海を渡った。そう考えると、彼のメジャー移籍は確かに無謀な挑戦なのかもしれない。
それでもたった1人でメジャーという大舞台に挑み、挑戦し続ける藤浪晋太郎の“意地”というものをこの目で見たい。
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