主要7カ国首脳会議(G7サミット)が、広島で5月19日から21日にかけて行われた。各国の首脳らが来訪するなか、広島空港や街中には警察官が配置され、その一方で「サミット反対」を訴えるデモ隊らも活動を強めていた。

 警察は18日から19日午後3時までに7件の“サミット反対デモ”に対応、21日までに公務執行妨害の疑いで2名の学生を現行犯逮捕している。デモでは、過激派「中核派」のメンバーら約100人がG7サミットを《核戦争の元凶》と主張し、「サミット粉砕」などと叫んでいた。そして、デモ隊と機動隊が衝突した現場では、万引きやけが人が相次ぐ“混沌としたお祭り騒ぎ状態”だったという。

原爆ドームの周辺で反対デモを行う中核派

26歳と年齢不詳の学生を現行犯逮捕

 社会部記者が解説する。

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「G7広島サミットには最大2万4000人の警察官が動員されました。そんななか、デモ行進の警戒に当たっていた男性警察官に公務執行妨害をした疑いで男性2名が逮捕されています。1件目は18日午後7時25分ごろ、警察官を蹴ったとして26歳の学生が現行犯逮捕。2人目は21日午前11時55分ごろに別の警察官の肩を手で殴った疑いで年齢不詳の学生が同様に逮捕されています。調べに対して、どちらも黙秘しているということです」

「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」HPより

 学生2名が参加していたデモを主催していたのは、広島市内に拠点を置く団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」である。18日の逮捕を受け、広島中央署前に数十人で集まり『不当逮捕だ!』『仲間を返せ』などと拡声器で声をあげていた。

 また同団体は、今年2月に成田空港用地内にあった反対派のやぐらが強制撤去されるのを妨害したなどの疑いで、5月11日に男性6人が逮捕された件についても、『今回のサミット反対デモに参加する予定だった仲間』と呼び、逮捕を不当だと訴えている。