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「こんな人で大丈夫なのか、と心配になるような人でも、局長会の推薦を受けて合格していく例がざらにある。局長会に従順で、政治活動を頑張るとさえ言えば、推薦しちゃうのが現実です」

写真はイメージ ©getty

 世襲や配偶者の協力へのこだわりが弱まったのは、後継者不足が深刻化しているからだ。世襲にこだわらず、配偶者がいなくても容認することで、人材獲得の間口を広げてきたというのが実情だ。

 政治などの活動に休日を捧げ、政治信条を捨ててでも局長会に身をゆだねてもらうことは、組織活動の中心であり、決して譲れない。ただ、そのこと自体が、人材の獲得を難しくしている一番のボトルネックでもある。

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 退職予定の局長が自ら後継者を見つけられない場合は、同じ部会や地区会の局長らが協力して後継を探す。ターゲットはおのずと、郵便局で働く一般社員となる。

 局長会に入って多額のお金を負担し、私生活をなげうって政治活動に身を捧げられるかどうか。

「最大の妨げは、局長会」

 後継者のスカウト役を担う局長らによると、業務能力の高い社員を勧誘しても、政治活動を強いる局長会の存在を理由に、たいていは断られてしまう。なかには局長会による研修の途中で、異常な組織体質に辟易して採用試験の受験をやめた例さえある。

 後継者探しに苦戦している東海地方の局長が嘆く。

「局長会の存在自体が、有能な人材を局長に引き上げる最大の妨げです。現場の社員には、拝むようにして局長にならないかと誘って回る。これでは何のための局長会なのか、何のための政治活動なのかもわかりませんよね」

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