変わらぬ農業変革への探求
一方で、全国のスーパーに「プライベートブランド用」のミニトマトを直接納入するなど、生産販売一貫のバリューチェーンを構築しているのも、ほかの農業法人とは異なる浅井農園の特徴だろう。中間マージンを省くことで適正利益を確保しつつ、価格競争力も維持できる。また、生産と販売との間の情報共有をはじめとするDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めることで、出荷ロスの低減につながっていく。そうしたことで、積極的な研究開発に回せる原資を確保でき、さらなる成長の芽がぐんぐん伸びていく。
「当社のノウハウを水平展開すれば、さまざまな地方の、さまざまな農作物の生産性を、劇的に高められるでしょう。ただし、自動化やDX化はあくまでも手段。真の目的は、日本の農業を変革し、国民の食生活を守ることです」
大きく変貌した浅井農園だが、浅井社長の夢は、学生時代から微動だにしないようだ。
