永田町では「異次元の親ばか」という声も
そして今回の公私混同報道。岸田首相は息子の更迭をすばやく否定した。異次元アピールが好きな首相だが「異次元のドラ息子」というキャッチフレーズが浮かんだ。永田町では「異次元の親ばか」という声も出ているという(TBSニュース5月26日)。
一見するとくだらない話題にみえるが、こういう説明軽視の態度は他の大事な政策にも通じていることがわかる。神は細部に宿る。
振り返れば前首相の菅義偉氏にも公私混同問題があった。
《総務大臣就任時(06年)、バンドマンで無職の長男を大臣秘書官として抜擢し、多数の総務官僚との接点を持たせた後、総務省の許認可先への就職を許した。》(週刊文春2021年2月25日号)
野心的な菅氏、お気楽な岸田一族
このあとに長男による総務官僚接待問題が出て公私混同と批判を生んだ。さらに弟の話題も。菅氏の弟はかつて自己破産した直後にJR東日本の子会社に幹部として入社しているが、異例の入社を遂げた背景には、菅義偉氏と同社の蜜月関係があったことが、ノンフィクション作家・森功氏の取材で分かったというのだ。
※『菅首相と慶應卒弟のJR“既得権益”』(文藝春秋2020年12月号)
https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h1824
こうしてみると菅氏の場合は同じ公私混同でも自覚的で野心的なことがわかる。それに対し、世襲で政治を継いでいる岸田一族の場合は観光とか忘年会とか脱力するほどの無自覚さであることがわかる。どちらの公私混同も酷いが、菅氏は叩き上げのえげつなさや必死さが伝わってくるのに対して、岸田一族は世襲のお気楽さが漂う。公私混同の形もいろいろなのである。
安倍元首相も「公私混同」
そういえば、
《15年には安倍元首相が音楽プロデューサーの秋元康氏や幻冬舎社長の見城徹氏ら「アベ友」5人を秘密裏に公邸に招き、西階段で現職の安倍中心に5人が囲んで撮影した“組閣ごっこ”写真が流出。フライデーに報じられた。》(日刊ゲンダイ5月26日)
安倍政権では桜を見る会の運営問題もあった。安倍→菅→岸田と3代続けて首相の公私混同が日常になっている。
では今回の件の新聞報道で目についたものを紹介していこう。