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「LINEは、よく知られている通り、東日本大震災を契機に誕生しました。利便性からヤクザら、いわゆる『反社』の人間たちもこぞって使うようになりましたが、現在のような形での情報共有ツールとして使われだしたのは、2015年の山口組分裂抗争の勃発以降です」(前出・ジャーナリスト)
その後、ヤクザらの情報ライフラインとして機能し始めたのは“あの大抗争”がきっかけだったという。
“あの大抗争”がきっかけでヤクザLINEが広がった
「名古屋を本拠とする弘道会を中心とした『六代目体制』に不満を抱えた勢力が『神戸山口組』として組織を割って始まった抗争では、神戸側が六代目側に不利となるような情報を積極的に拡散する情報戦が展開されました。その拡散のために使われたのが、『ヤクザLINE』。
抗争が長期化し、『六代目山口組』と『神戸山口組』、さらには『絆會』など神戸山口組から分派した組織とが互いに牽制しあう現在のような状況になってからは、ヤクザ社会全体での情報共有にも使われるようになったのです」(前出のジャーナリスト)
町田の銃撃事件では、「ヤクザLINE」での「火消し」が奏功し、組織同士の抗争の火種になることはなかった。裏社会の独自の情報網は、彼らの「安全保障体制」を担保する役割も果たしているようだ。