「タッキー&翼」デビューコンサート出演の夜に受けた被害
被害に遭ったのは、2002年10月19日。日付がはっきりしているのは、この日、東京ドームでタッキー&翼のデビューを記念したコンサートがあったからだ。
中村氏も出演し、翌日も同じ公演があったため、ジャニー氏の自宅に泊まることになった。その日は5人ほどが泊まっていたと記憶しているという。上階の部屋で3人のジュニアと並んで寝ていた。中村氏は真ん中だった。その深夜のことだ。
「足元のほうから布団に入ってきて、すぐジャニーさんとわかりました。もう怖くて動けない。マッサージをされていたのかわからないですけど、(性器を)しゃぶられて……。自分のおじいちゃんみたいな親しみもあったので、そのショックもありました。やられてる最中は、女の子にやられているっていうのを想像して、頼むから終わってくれって。結構長かった気がします。30分くらいの感覚でした」
翌朝、ジャニー氏と他のジュニアと朝食を食べていた時だった。
「テーブルの下で、足の甲を、足でさすられたんです。それがまたゾッとした」
「もうやる気が半減してました」
タクシーでドームに到着したとき、他のジュニアが会場入りする中、彼はジャニー氏に呼び止められた。
「1万か2万を手渡されました。『いらないよ』って断ったけど、『あげる』って言われて受け取った記憶があります」
前夜の出来事は、コンサートの時間を迎えても、重くのしかかっていた。
「結構、引きずってた。そこから、もうやる気が半減してました」
初日と同様、その日も観客席にはペンライトの光が揺れていた。
「キレイだなって思う気持ちの反面、素直に喜べない、複雑な感情が湧いていました。もう気持ちがだいぶ病んでたんでしょうかね」
中学3年生、15歳だった中村氏は直後、受験の準備を理由に、ジュニアの活動から離れる。
「その後、仲の良いジュニアから、『ジャニーさんが呼んでるから泊まりに来い』と連絡が来たんですが、『嫌だ』と言って行きませんでした。しばらくしてジャニーさんに直接電話して、辞めますと伝えた。特別引き止められるようなことも言われなかったと思います」
中村氏はそれ以降、芸能界を離れ、今は事業を行っている。