「東京ドームのステージから見る、ペンライトがいっぱいの景色って、すごくキレイなんですよ。全然自分がメインじゃないんですけど、それでも、すごく気持ちが良くて……」
元ジャニーズJr.の中村一也氏(35)は、初めて東京ドームのステージから、観客席を眺めたときの気持ちをこう振り返る。仲間との楽しい日々、レッスンに費やした努力、そしてステージでの恍惚感。だが、その僅か数時間後の出来事によって、全てを捨てざるを得なくなった――。
ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題は、収束の気配を見せない。5月26日、ジャニーズはプレスリリースを発表した。
「心療内科医の鴨下一郎元環境相が担当する『心のケア相談窓口』を設置、林眞琴元検事総長をトップとする『外部専門家による再発防止特別チーム』を組む。その再発防止の提言を実行に移す社外取締役に、WBCで侍JAPANのヘッドコーチだった白井一幸氏ら3名が就任することが記されていました」(全国紙記者)
ただ結局、櫻井翔や中丸雄一など一部のタレントが求めていた、外部有識者による第三者委員会の設置は見送られた。事務所が掲げる再発防止には、何よりも過去の徹底的な検証が必須のはずであり、世間の納得を得られるような内容ではなかった。
小誌には今も、被害を受けたという男性からの声が寄せられている。中村氏もその一人だ。
彼はジャニーズJr.が多数出演していた『8時だJ』(テレビ朝日系)を観て、テレビに出ることに憧れた。滝沢秀明や今井翼、山下智久など、ジュニア人気が最高潮の時代だった。母が履歴書を送り、中学1年だった2001年1月、事務所からいきなりダンスレッスンに呼ばれた。そこからジュニアとしての活動が始まる。