結局僕には休むという選択肢はないので、這いつくばりながら出社しました。
健康管理も仕事
事務所に到着後、上司には熱があることを伝えたのですが、「お前は体調管理もできないのか! 体調管理も仕事のひとつなんだからしっかりしろ!」と注意を受けました。
上司は相当な健康オタクのアラフィフ女性(独身・彼氏なし)で、仕事のために生きているような人です。なので健康管理も徹底的に行っていて、朝は自家製スムージーを飲みながら仕事をしています。
僕も金銭的に余裕があれば、栄養のあるご飯を食べて体調を整えたいです。そんな悔しい思いで毎日チョコスティックパン(120円)を食べていました。
一応翌日は午前中に病院に行くことを許可してもらいました(弊社の外出は許可制)。そして、病院で薬を処方してもらい、働きながらなんとか平熱まで戻すことができました。治るまでの間も通勤するのがつらかったので、事務所に泊まり込みながら3日間過ごしました。
その間は声もカスカスでしたが、代理店から大量の電話がかかってくるので5~10分ごとに電話応対もしました。その時は早くこんな場所から抜け出したいと思いましたが、今は上司の言うことも一理あるのかもしれないと思うようになりました。健康管理も仕事なので、これからは気を引き締めて働こうと思います。
ブラック企業では社員を駒としか思っていない
事務所の同僚や先輩はと言うと、僕がくたばりながら働いてる様子を見ても一切心配することなく、「こんなクソ忙しい時に風邪引いてんじゃねえよボケ」という反応でした。
血も涙もない環境ですが、仕方ありません。みんな自分のことに必死で、誰かを思いやる余裕は一切ありません。同僚たちもみんな囚われの身で、広告業界の最底辺を生き抜く奴隷たちです。そこに仲間意識は生まれず、お互い足を引っ張り合う下っぱ根性が育まれていきます。社員同士が協力し合えているような組織は、みんな大人で余裕のある人たちが多いんだろうなと思います。
これだけ過酷な労働環境なので、当然大病を患って辞めていく人が後を絶ちません。ほとんどが鬱などの精神疾患ですが、上司は病んで事務所を去っていく人たちに対して労いの言葉をかけることは一切ありません。
ブラック企業では社員を駒としか思っていないため、戦えなくなったデザイナーに価値はありません。