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「キャンプならガスボンベタイプが一番便利。だが…」世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」

「キャンプならガスボンベタイプが一番便利。だが…」世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」

合計10万円で世界各地で使える「マストなアウトドア用品」#2

2023/06/11
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必需品な「おまけ」:海外に行くということは…

 ここからは「おまけ」ではあるが、海外取材時の大事な2つのアイテムを紹介したい。

 ひとつ目は指さし会話帳。英語の通じない地域の取材が好きだ。なぜなら英語を話さなくて良いから。色々と海外取材に行っているが、英語はどうしても苦手なままだ。もちろん最低限の英会話はできるが、まあ自分で言うのもなんだが本当に下手くそな英語なのだ。

 そこで英語圏の取材である。英語圏の人たちって、世界中の人が英語が話せて当然だと思っているんだよね。あれは疲れる。もちろん英語が苦手な人のために、ゆっくり話してくれたりするけど、それでも英語が話せるってのが大前提で社会は動いている。

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 それに比べると、英語が通じない国は楽ちんなのだ。誰も私が、タイ語やラオス語や、アラビア語、モンゴル語なんかを理解できるとは思っていない。お互いに知っている限りの英語と、辞書や参考書、そして笑顔と身振り手振りで意思の疎通を図るのだ。

 そしてそんな取材で大活躍するのが、旧情報センター出版局が出している「旅の指さし会話帳」だ。このシリーズのラインナップはすごい。私が訪問した国のほぼ全てが網羅されていた。

現地での会話に非常に役立つ「旅の指さし会話帳」シリーズ

 内容もバリエーション豊富な上にイラストが可愛くて、現地の老若男女に大人気。帰国する時に置いていってくれって言われたことも多数ある。この本を間に、互いに頭を突き合わせてコミュニケーションをとった日々は、私の大切な思い出となっている。

 もうひとつはカップうどんだ。私は海外で、日本食が恋しくなることはほとんどない。基本的にどの国のどんな料理でも美味しく食べられる人なのだ。ではなぜカップうどんかと言うと、現地の人たちに日本の味を提供したいからである。

インド北部の秘境ラダックでもカップうどんは大好評
カンボジアの水上集落でカップうどんを分け合う筆者と居候先の娘さん

 もちろん都市部に近い場所で居候取材をしているなら、食材を色々工夫してカレーライスやカツ丼、すき焼きなんかを手作りして振る舞ったこともある。喜ばれますね。

 でも、なかなかそんなに上手く調味料が手に入らないことも多い。そこで手早く簡単に日本の味をと考えたのが、カップうどんなのだ。昆布や鰹節の出汁に醤油が入ったスープは完全にニッポン!

モンゴルではカップうどんのほかに豚骨ラーメンも振る舞ったら、子供達に大ヒットしたという

 これに小麦麺の組み合わせは、異国情緒満点なのですよ、海外の人にとっては。蕎麦よりもうどんの方が、インパクトは薄いが万人受けするようですね。そんなわけで、バックパックの底にいつも2~3個のカップうどんを詰めて海外へ出掛けているのだ。

写真=阪口克

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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