必需品な「おまけ」:海外に行くということは…
ここからは「おまけ」ではあるが、海外取材時の大事な2つのアイテムを紹介したい。
ひとつ目は指さし会話帳。英語の通じない地域の取材が好きだ。なぜなら英語を話さなくて良いから。色々と海外取材に行っているが、英語はどうしても苦手なままだ。もちろん最低限の英会話はできるが、まあ自分で言うのもなんだが本当に下手くそな英語なのだ。
そこで英語圏の取材である。英語圏の人たちって、世界中の人が英語が話せて当然だと思っているんだよね。あれは疲れる。もちろん英語が苦手な人のために、ゆっくり話してくれたりするけど、それでも英語が話せるってのが大前提で社会は動いている。
それに比べると、英語が通じない国は楽ちんなのだ。誰も私が、タイ語やラオス語や、アラビア語、モンゴル語なんかを理解できるとは思っていない。お互いに知っている限りの英語と、辞書や参考書、そして笑顔と身振り手振りで意思の疎通を図るのだ。
そしてそんな取材で大活躍するのが、旧情報センター出版局が出している「旅の指さし会話帳」だ。このシリーズのラインナップはすごい。私が訪問した国のほぼ全てが網羅されていた。
内容もバリエーション豊富な上にイラストが可愛くて、現地の老若男女に大人気。帰国する時に置いていってくれって言われたことも多数ある。この本を間に、互いに頭を突き合わせてコミュニケーションをとった日々は、私の大切な思い出となっている。
もうひとつはカップうどんだ。私は海外で、日本食が恋しくなることはほとんどない。基本的にどの国のどんな料理でも美味しく食べられる人なのだ。ではなぜカップうどんかと言うと、現地の人たちに日本の味を提供したいからである。
もちろん都市部に近い場所で居候取材をしているなら、食材を色々工夫してカレーライスやカツ丼、すき焼きなんかを手作りして振る舞ったこともある。喜ばれますね。
でも、なかなかそんなに上手く調味料が手に入らないことも多い。そこで手早く簡単に日本の味をと考えたのが、カップうどんなのだ。昆布や鰹節の出汁に醤油が入ったスープは完全にニッポン!
これに小麦麺の組み合わせは、異国情緒満点なのですよ、海外の人にとっては。蕎麦よりもうどんの方が、インパクトは薄いが万人受けするようですね。そんなわけで、バックパックの底にいつも2~3個のカップうどんを詰めて海外へ出掛けているのだ。
写真=阪口克
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