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 しかし、事故現場に居合わせた女子学生のA子さんによると「前回のバーベキューでもアルコールを使用していた」というのだ。

「やりすぎじゃない?」と言われるほどのハリビBBQ

「バーベキューは、コンテストの祝賀会や、新入生と親睦を深める名目で、400人以上の規模で年4、5回くらい行われます。いつも理事長お手製のタレが振る舞われて、学園長も“ハリビ恒例BBQ”と意気込んでいます。他の美容学校の友人に話すと『やりすぎじゃない?』と言われるくらい頻繁に行事がある学校なんです」

在校生がコンクールで好成績を収めたことを祝うバーベキュー(読者提供)

 事故が起きた日も全校生徒が参加する“親睦会”が行われていたという。A子さんが続ける。

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「その日はバーベキューが始まってすぐに、爆発音が響いて“青い炎”に包まれた男性たちが服を脱ごうと地面を這っていました。その場にいた全員が何が起きたか分からずパニックになっている中、アルコールを投入した先生に怒号をあげる理事長の声が響いていました。ドクターヘリが来てやけどした男子学生が搬送されていったのですが、バーベキューは続いたんです。状況がつかめず泣き崩れていた私でも、このバーベキューが続くのはおかしいと分かりました」

事故のあともBBQは続き、学校生活にも変わりなく…

 事故の後もバーベキューは続き、男子学生が亡くなった6日に休校措置がとられるまで、学校生活にもほとんど変わりはなかったという。

田園風景の中で目立つ校舎 Ⓒ文藝春秋

「1人亡くなったと分かった後も、一部の先生や学生は普通に談笑していて驚きましたし、怒りすら込み上げました。ニュースで学校のコメントが流れた時には耳を疑いました。『アルコールの使用は初めて』とか『教員の不手際』だとか。アルコールは前回のバーベキューでも新聞紙に染み込ませて使っていたのに……。理事長が先生たちに『アルコールを追加してこい』と指示してたのはみんな知ってるはずです」(同前)

 在校生の不信を買いつつあるハリウッドワールド美容専門学校、通称「ハリビ」は、現理事長とその妻が学園長を務める“一族経営”の学校。創立80年近い歴史の中で、東京の有名店で働く“カリスマ美容師”も輩出するなど、地元では知られた名門校だ。

立派な学生寮も備える Ⓒ文藝春秋

 2003年の美容師の国家試験合格率は九州でNo.1になるなど、「ハリビ」は美容師志望の若者にとっては憧れの学校であり、福岡県外からも学生が集まる。卒業生であるBさんも在校時はわざわざ新幹線を利用して、寮と実家を行き来しながら通学していたという。