きょう6月13日は、俳優の市川実日子の45歳の誕生日である。筆者が市川のことを知ったのはいまから20年あまり前、ある雑誌で彼女が写真家のホンマタカシのモデルとなった写真を見たときだった。
そのとき、「市川実日子」というクレジットを見て、「たぶん、市川実和子の妹か何かなんだろうけど、それにしてはあまり似てないな……」と思った記憶がある。事実、彼女の姉は市川実和子(その上にもう1人姉がいるという)で、こちらは当時、本業であるモデルのほかに子供番組『ポンキッキーズ』に出演するなどして一般にも知られ始めていた。
姉の実和子がどちらかといえば柔和な丸顔なのに対し、実日子のほうはシャープな顔立ちで、眉毛も釣り上がり、ちょっときつい印象を受けた。不機嫌そうな顔が、このころ人気が出始めていた美術家の奈良美智の描く少女を彷彿とさせたりもした。本人も、《よく、普通の顔してても、怒ってる顔っていわれるんですよね。不機嫌そうとか、無愛想とか……》と、かつて語っていたことがある(『週刊朝日』2003年1月3・10日号)。
芸能界入りは「あれよあれよという間に…」
筆者が初めて市川を見たのは、彼女が10代女子から圧倒的な支持を得た女性ファッション誌『Olive』の専属モデルを卒業後、俳優としても仕事を始めたばかりのころだった。1998年に前出のホンマが監督した短編映画『How to 柔術』に出演し、2000年には『タイムレスメロディ』で長編映画デビューを果たす。
そもそも芸能界に入ったのは、中学生のころ、先にモデルデビューしていた姉から「事務所の人に会ってみる?」と声をかけられたのがきっかけだった。市川に言わせると、《最初はよくわからないまま、事務所の社長さんに会って、あれよあれよという間に仕事をすることに》なる(『婦人公論』2016年7月26日号)。