1ページ目から読む
2/2ページ目

A まず家族と宗教どっちを取るべきかという追い込み方はやめましょう

 安心してください、重たい話しか自分のところには回ってきませんので慣れてます。多分、これを公的な場所で相談した時、答えがちのことを言うと「あなたとお母さまとの人生は別ものです。自分の人生を選んでください」的なことを言っておしまいになると思うのですが、現実はそんな簡単じゃないことを40年くらい生きると、ほぼほぼ理解できます。

 まず家族と宗教どっちを取るべきかという追い込み方はやめましょうか。その二択に絞るの間違ってる気がします。ぬるっとしたことを言います。自分の友達に、ガッチリ新興宗教にハマってる男がいました。こいつはまた真面目で良いヤツで20年来の付き合いです。そういうものにハマるヤツは大概、的な話も省略しますね。最初に出会った頃、彼から入ってる宗教を執拗に勧められ、それを拒否したことで、何度か衝突した覚えがあります。一時期は絶縁だ! 絶交だ! と国交を絶ったことすらもあります。友達と身内ではまた話は違うとは思いますが、参考までにもうちょっとだけ聞いてください。彼とは何度かの絶交と復縁の中で、落としどころを見つけることに成功しました。お前がそういうヤツだということは分かった、俺はこういうヤツだから分かって! を色々な場面で色々な言い方で、繰り返し話しました。お互い友達が少なかったことも簡単に切れないというシチュエーションになって良かったのかもしれません。

イラスト:ながしま

 あなたのお母さまも、宗教以外の部分では優しくて面白くて尊敬できる方だということならば、あとは宗教の部分でお互い線を引くことに終始すべきだと思います。その線を引くために、しばらく離れるというのも手です。あなたにとっても、お母さまにとっても、かけがえのない身内、母子だったんだと理解する時間を作るのはどうでしょう。

ADVERTISEMENT

少し音信不通にしてでも自分の気持ちを優先させたほうがいいとき

 お母さまは携帯はお持ちでしょうか? LINEやメールは人のコミュニケーションを手軽にし、薄めてしまったと嘆くように言われる昨今ですが、今のあなたに必要なことはこの少し薄めた、少し距離のある手軽なツールでの会話じゃないでしょうか。可能ならば独り暮らしを考えてみてはどうでしょうか。今すぐには難しいかもしれませんが、それを念頭に接することは大切な気がします。お母さまとは信仰以外の話を距離を取ってすることを繰り返しながら、自分は宗教の話は聞きたくない、その話はお互いの関係を不幸にするという認識をお母様が持てるまで、根気よくやってみるのはいかがでしょうか。

 ぬるっとした例ですみません。ただこれは自分と友達の間でやったことでした。そして成功した事例です。そうかお前はここには踏み込んでほしくないんだな、なるほどお前はここまでは踏み込んでもいいんだなを知る機会でした。ちなみに家族を奪われたくないという考え、非常に分かります。それがもしかなりクライシスな状況ならば、警察や信頼できる機関に相談された方がいいと思います。宗教も家族も社会の様々もキーポイントは一緒で、距離感なんだと思います。面倒だとは思いますが、面倒でも守りたい絆があるならば、それはもう根気をもって大切にした方がいいと思います。根気が続かないと思った時は、少し音信不通にしてでも自分の気持ちを優先させてくださいね。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム