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バイブ万引き、当直室の肉体関係……北海道警「隠された不祥事」の実態

警察資料「開示請求」でわかった“異性関係”案件

2018/03/04

genre : ニュース, 社会

北海道警の『犯罪事件処理簿』を開示請求すると……

 2016年1月に「減給」処分となった巡査の不祥事は「強制わいせつ」。不倫どころか、立派な犯罪だ。給料カットはいかにも軽い処分だが、問題はそれだけではない。『事件指揮簿』などの書類を見ると、巡査は当初「強姦」で告発され、捜査の途中で容疑が「強姦未遂」に変わり、懲戒処分を受けた時点ではこれが「強制わいせつ」に変えられていた。被害に遭ったのは、巡査の同僚である女性警察官。捜査の過程で何があったのかは想像するしかないが、おそらくは意を決して訴え出たであろう「強姦」の被害は認められず、加害者の処分も給料カットで済まされてしまった。しかも、この犯罪はまったく発表されなかった。現職の女性警察官の中には、事件を知らずに今も道警に勤務している人が多くいるだろう。

©iStock.com

 警察官ではない女性への「強制わいせつ」にも、あかるみに出ていないものがある。たとえば14年10月から11月にかけ、道警の巡査部長が一般の女性にわいせつな行為をしたケース。深夜、車の中での犯行だった。これの『犯罪事件処理簿』などを開示請求すると、道警は大部分を墨塗りにした「のり弁」状態で文書を出してきた。決定通知に記された「開示しない部分」を見ると、「少年の氏名」と書いてある。少年とはつまり、未成年。巡査部長は未成年の女の子に複数回、わいせつな行為を強いたのだ。この驚くべき事件の捜査で、道警は巡査部長の身柄を拘束せず、書類送検とした。懲戒処分はこれも「減給」。未成年相手の強制わいせつで、逮捕されずクビにもならないとは、ほかの公務員ではおよそ考えられない。警察庁の『懲戒処分の指針』でも、強姦は「免職」、強制わいせつは「免職又は停職」となっているのだが……。

 
処分の理由には「強いてわいせつな行為をし もって、著しく警察の信用を失墜させたものである」とある

盗撮の18分後、バイブレーターを万引き

 15年6月に「撮影機能付き携帯電話機を使用し、卑わいな行為をするなどした」とされる巡査も、やはり「減給」処分。この「卑わいな行為」は、小売店のエスカレーターで女性のスカート内を撮影したこと、つまり盗撮だった。もう1件、「など」の言いまわしで記録されたのは、なんと窃盗。盗撮の18分後、巡査は同じ店でバイブレーターを万引きしていたのだ。これでクビにならない職場など、警察以外にないのではないか。言うまでもなく、この事件も一切発表されていない。

『懲戒審査要求書』「規律違反の事実」には盗撮、万引きについて書かれていた
 

 この件で盗撮警官の“余罪”、つまり万引きが明らかになったのは、懲戒処分に伴って作られる文書『懲戒審査要求書』にそれが記録されていたためだ。同年の北海道警の懲戒処分にはとりわけ“余罪”が多かった。その中から「異性関係」のおもなケースを、下に挙げておこう。各件の概要を『懲戒処分一覧』の記述のまま記し、続けて『要求書』でわかった“余罪”を書き加えておく。

 《部外の異性に対し、不安感を与えるメールを送信するなどした》余罪=未成年とみられる女性に裸の写真を撮らせ、メール送信させた(1月28日処分【戒告】)

 《部内異性方に侵入するなどした》余罪=警察署の当直室内で肉体関係を結んだ(9月16日処分【減給】)

 《異性と不適切な交際をするなどした》余罪=一般女性の少なくとも4人と不倫し、1人に対して強姦の疑いが指摘された。さらに消費者金融から130万円の借金をした(12月16日処分【戒告】)