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NISAの制度ができてようやく整備されてきた投資環境

 投資信託にも「アクティブファンド」と「インデックスファンド」というものがありますが、市場の値動きを上回ることを目指すアクティブよりも、市場の値動きに連動するインデックスがお勧めです。形を一度作って、後はほったらかしておけば自動的に毎月つみたてられていくので、投資としては地味なスタイルではありますが、これこそが多忙な世の中に求められているスタイルだとも言えます。

 投資信託のイメージも、昔は決していいものではありませんでした。「失われた30年」と言われ、日本経済がゼロ成長を続けてきた平成期、かつては投資信託も、銀行や証券会社が売りやすくするために、煮ても焼いても食えないような銘柄ばかりを集め、ゴミ扱いされていたものです。実際、気軽に買ってつみたてればいいという商品はほとんどありませんでした。

 NISAの制度が2014年にできてから、投資環境はようやく整備されてきたところがあります。制度を理解している人は増えてきていますが、それ以前の印象のまま投資のことを語る人もまだかなり多いように感じます。「親が株で全財産をなくしました」というような話もありますし、「株は買うな」が家訓だという話を聞いたこともあります。

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投資の分類を知って、自分がやっている投資を認識しよう

 αタイプとβタイプ、どちらも投資と一括りにして言うのはいかがなものか、と思うところもあります。「投機」と「投資」という言い方の違いはありますが、同じ投資の中でも別の名前にしたい気持ちです。

 投機と投資は、ゼロサム、プラスサムという区分けで分類したりもします。

 ゼロサムというのは価格の変動を予測して賭けることで、勝つ人と負ける人の総数が同じ。勝つ人がいるということは負けている人がいるという世界です。場所代はなしとして、FXなどがこれに当てはまりますし、ジャンルは違いますが麻雀もそうかもしれません。

 プラスサムは、やっている人全員がプラスになる可能性もあるし、全員がマイナスになる可能性もあります。ただ、長期的な視点で見たときにはプラスのほうが大きくなるというものです。投資信託や個別株がこれに当たります。

 個別株の値動きを見るとわかりやすいですが、価格が売り出し以来の過去最高値にあるとしたら、この商品を買った人たちの誰もが負けてないということになります。しかし、最低値まで下がったときには全員がマイナスになるということを意味します。

 もう一つ、マイナスサムというものがあります。パチンコ店や競馬場、宝くじもそうですが、集まった総数からまず胴元が2~3割を取ります。胴元がプラスになった上で、残りを全員で分け合います。このときの分配の合計が当初の総数から減っているというのがマイナスサムです。

 以上のような分類がありますので、投資を十把ひとからげにしないで、自分がやっているのはこういう投資だ、こういう資産形成だというしっかりとした認識を持っていた方がいいですね。