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戦隊モノ出演、クランクアップで涙
家出の最中、出会ったのが、出世作となったドラマ『烈車戦隊トッキュウジャー』(14年 テレビ朝日系)。同作の監督・竹本昇氏が言う。
「志尊君と横浜流星君が空手を披露する回があったんです。極真空手世界一にも輝いた流星君に合わせるのは大変だったと思いますが、志尊君はアクション担当に熱心に教わっていた。結果的にはとてもいいシーンになりました。クランクアップの時はこらえきれず、泣いていた記憶があります」
初主演舞台『春のめざめ』(17年)の演出家で、志尊が「恩師」と仰いでいる白井晃氏が語る。
「芯が強くて頑固な面もある。稽古で『この出来じゃ幕が上げられない』とハッパをかけたんですが、その時の表情が忘れられない。唇をぐっと噛みしめていたのを覚えています。でも僕の要求に粘り強く応えてくれ、その言葉をかけた後、飛躍的に良くなった。昨年、野田秀樹さんの舞台『Q』も観に行きましたが、凄く成長していると思います」
尊い志を持つ男だった。